山行日 1989年1月29日
メンバー (L)大久保、服部、井上(雅)、重信、堀田、藤居、渡部
ふと、構内の騒めきで目覚めると時計はすでに8時を回っていた。"オット寝過ごした"とすぐさまシュラフから抜け出すと服部氏と重信さんはすでに出発準備が完了している。"起きてるなら起こしてくれてもいいのに" "何と薄情なヤツだ"などと個人的感情をもろに出しつつ、出発準備に取りかかる。2人は6時頃に起きて近くの猿橋を見物して帰ったばかりだという。ザックに荷をつめながらふと昨夜の宴会を思い出す。実は同行の井上君が、今までの山行の友の常識を打ちやぶる"ウォッカ"を友にやって来たのである。当人はそれをグイグイと呷るのだが、まわりのものはただ、ただ遠巻きにながめるばかり。しかし、そこはのんべいの宿命というかつい手が出てしまうもの。それが今朝の結果となったしだいである。多少反省をしながらも猿橋駅を後にする。ハイキングマップにそい、くねくねと曲りながらも続く一本道を登山口に向い進むが、何となく民家の方へと近づいているようだ。地図上では途中で道が切れているがどんどんのびている。どうも登山口をとうに過ぎてしまったようだ。まあこの辺は出発時間も遅れたこともあり百蔵山を諦め、直接扇山へと向うことにしコタカラ山とカンバ沢の頭の鞍部へ続く道を進む。しばらく歩くと道も途切れ沢沿いの仕事道をさらに進むが途中からは水も少ないので沢の中を歩き出す。しかしやたらにバラやタラのトゲトゲが行く手をはばむ。あまり山慣れしない井上君と重信さんはその洗礼をもろにあびてるらしく背後から"イテテ""イテテ"と言いながらついてくる。鞍部が近づくにつれヤブも多くなってきたので右岸へ高捲く。沢の中では陽もあたらなかったが、高捲くにつれ山腹の斜面では暑くて体の中のウォッカが汗となってにじみ出て来る。しだいに尾根道が近づいたのか人の声が聞こえる。やっと出た本来の登山道でいっぷくし先を急ぐ。
山行の前日、藤居さんより電話があり堀田さんと渡部のオカアチャンが同行することになり扇山山頂で合流することになっていた。しかし大幅な遅れにその後は休む間もなく山頂へと向う。途中、大久保山のあたりから残雪の量も増え、やっと目の前に見えて来た扇山山頂付近はひざ位までの雪がある。山頂はずい分と多くの登山客で賑わっていた。我々より先に着いてる堀田さんが我々を見つけて呼んでいる。大幅に予定時間が遅れたため1時間半位、我、三峰の大先輩たちを待たせてしまった。しかし我々が着くと同時に熱いコーヒーやボルシチをすすめてくれる三峰の友情に感謝しつつごちそうになる。腹もふくれまわりの景色を見る余裕も出来、しばらくは山頂からの展望を十分に楽しんだ後、全員で記念撮影をし、帰宅を急ぐ井上君を先に見送り、我々3人は君恋温泉へ、堀田さんたちは夕日のしずむ富士山を見に荻野丸へとそれぞれに別れた。君恋温泉(入浴料400円)の後タクシーで四方津駅へ向う。駅でタクシーをおりているとちょうど堀田さんたちもバスで駅についたばかりで、帰りの列車の中では又ワイワイといっしょに帰宅する。