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編集後記

 悪い友人にたぶらかされて椎名誠の本に手を出したらなかなかやめられなくてずるずると15冊も立て続けに読んでしまった。わたくしの作文がシーナっぽくなってしまったのはそのためであります。どうもシーナ本にはコーラに似た中毒作用があるようなのだ。
 コーラと言えば先日の夜、或る処で知り合った若い人妻が突然オレに電話をかけてよこした。オレはうりざね顔のイイ女とか、長い黒髪の下にのぞく白いうなじとか、煮魚定食とか、算数とか、こわいおにいさんとか、ラッキョ汁といったものに弱いが、若い人妻というのにも弱いのである。オレは少なからぬ期待感にいささかコーフンし思わず受話器をグッと握りしめた。女は言った。
 「あなたコーラ好きでしょ?コーラって、あんまり飲むとインポになるんですって。うふうふ」
 若い人妻が深夜テイシュのすきを見て独身男に電話してくるというだけでも相当コーフン的にモンダイなのに、その女はさらに過激にもイ○ポなどという下半身関連用語を明瞭に発音してしまうのである。オレは突発的テレクラ状況に急速にドギマギしつつ言った。
 「そ、そう。でで、でもオレだいじょうぶみたいまだ。ハアハアハア」
 「そう。ならよかった!うふふふ」
 この若い人妻とオレとのあやうい会話というのはとりあえずここでは問題ではないのだ。問題はこの中で言われている『男性の性的コーフン時に於ける神経系に及ぼすコーラの作用と弊害』であり、さらにそれを視座に置いた『シーナ本の読破量と読み手の単純さ指数との相関関係』なのである。つまりどういうことかというと、シーナ本を読むと単純なヒト程はげしく作用するシーナカフェイン反応が体内に起こり遂には脳に達し正常な言語思考能力が破壊され重度の場合には再起不能更生イ○ポッシブルになっちゃうということなのでえす。ですから皆さんも気をつけましょう。
 当面のオレの課題はこのシーナ中毒から何とか更生して正しい人生路線に復帰することにあるが、今年も岩つばめ編集長を務めなくちゃならないカラダなのにのっけからインビな重度シーナ中毒患者になってしまいなさけないのだ。しかし今年は二人も部下が付いたのでココロ強いのだ。思えばオレも昇進したもんだな、ふふふふ。〔注・あいつは誰か付けなくてはとてもひとりでは任せておけない。(拍手多数)―委員会議事録より〕
 ここでオレの部下を紹介しておきたい。
 重信美香さん ― 彼女は何を隠そう『銀座の女(ひと)』なのだ! 何も隠さなくても『銀座の女』なのだ!『アメ横の女』でも『池袋の女』でも『キンシ町の女』でもないのだ。『吉祥寺サンロードの女』とか『すすき野商店街の女』なんかともぜんぜんちがうのだ。さがりおろう『代官山の女』め、などとも言えちゃうのだ! だけど『銀座の女』というと、なにやら演歌ふうでもあるな。
 彼女はプロモーション担当重役である。彼女から愛のプロモーション・カードや愛のプロモーション・コールを受けた人はスミヤカに原稿を提出すべし!!彼女の『おねがい』がきけないヤツは、女だろうとオトコじゃねぇ、ナメルなよテメエ、オレのニードロップを喰らいたいのか、エッ!何ならブレーンバスターをおみまいしてやろうか、エッ!とやたら激しく控えているのが、ふみあと担当重役の菅原康之氏なのである。彼は一見穏やかそうであるが、事実やさしい男なのだが、岩もスキーも温泉もこなす実力派なのだ。ケンカの腕も自分より弱い奴には一度たりとも負けたことがない程の実力者なのだ。決してあなどってはいけんのだ。山に行った人は「ナニッ、オレのノートじゃ書けないって言うのかよ、エッ!」と彼にどやされる前にスミヤカに『ふみあと』に必要事項を書き入れるべし。
 以上のごとく今年はオレたち3人で岩つばめをやるのだ。やるからには愛と闘魂と汗と涙と鍋汁と湯の華の入り混ったカンドー的な岩つばめにしようと思っているのでよろしく。特にシメキリ日はよろしく、と菅原氏もくさり鎌じゃらじゃらいわせながらドスコイドスコイ言っておるのだ。ちなみに、オレの必殺技はフライングクロスチョップなのだ。重信さんのは、
 「私のはねえ、・・・・ヒ・ミ・ツ!うふふ」


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