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両神山(GOGO山行)
阿部 梨枝子

山行日 1989年3月4日~5日
メンバー (L)今村、荒川、日野、阿部

 3月4日。西武秩父駅よりバス・タクシーと乗り継いで間明平まで入る。今日は、ここから両詰山という山を越えて両神山荘まで行くのだが、何ともはっきりしないお天気。
 林道を数分歩き、少し脇に下りたところから登り始める。踏跡はけっこうしっかりとついていて、40分程で戸蓋峠に出る。ここから先、時々ヤブっぽいところを通りながら、ゆるやかな道が続いていく。
 峠から1時間位歩いた頃だったと思うが、両詰山へ向かう途中で思わぬ光景に出くわしてしまった。というのは、いきなり目の前がひらけたと思ったら、突然山が消えてしまい「アレッ」と思ったらあわれにも山はそこで分断されていて、足下には工事中の林道が通っているのだ。これには一同ビックリ。思わず拍子抜けしてしまったが、とりあえず一旦下に降り、登り口をさがしはじめる。そこへちょうどタイミングよく工事用のロープを見つけ、これを借りて這い上がり再び山の中へ。
 2時20分、両詰山着。地図上では790.7が両詰山のピーク。小さな標識が立っていた。
 ここを過ぎると左手には両神山がよく見えてくる。何度か休憩をとりながら楢尾沢峠を下っていくと、今日の宿、両神山荘の庭先に出た。
 5日。予報どおり雨。自分では晴女だと思っていたのに珍しく最初から雨具をつけて歩くことになる。なんとも気が重いが、やはり雨男の今村さんがリーダーとあっては諦めるしかないようだ。
 6時10分、薄暗い中を山荘のすぐ横の道を歩き出す。沢沿いで休んでいると、同宿だった4人組のお兄さん達がやってきた。登山者は私達の他にはこのお兄さん達だけらしい。
 清滝小屋で休憩をとった後小屋を出ると、いつの間にか雨が雪に変わりはじめている。雪も徐々に多く見えはじめ、所々ツルツルに凍っていて、何度もこけそうになる。両神神社をすぎ、もう間もなく行くと頂上着。11時。頂上は思っていたよりも狭く、小さな祠がまつってある。前日宿のおじいさんに見せてもらった写真では、富士山・奥秩父の山がよく見えていたけれど、今日は雨とガスで全く展望はきかない。
 それにしても、もう寒くて寒くて仕方がない。私の雨具は防水がきかなくなってしまったのか、中までぐっしょり濡れてしまっている。写真を撮って早々に休憩所まで戻り、昼食をとる。寒い時はやっぱり熱いお茶が一番。体の芯から暖まるし、気持ちもホッとする。
 12時、帰りは白井差へと下りはじめる。3時間弱でバス停着。途中、団体客が乗り込み、満員のバスに揺られながら三峰口に着いた。


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