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岩のゲレンデ・三ッ峠
斎藤 ひろ子
山行日 1989年7月15日~16日
メンバー (L)今井、山本(信)、菅原、井上(雅)、荒川、藤巻、飯塚、斎藤、他2名
15日のみ 中沢、別当

 『岩を登る』なんて考えたこともなかったのにどうして行ってしまったかと言うと、沢登りに行き、ほんの数メートルの滝を登ったことから。沢を登る。ましてや滝なんて!! 滝は観賞するものだとばかり思っていたのに。登れるものだということを知ると、もしかしたら岩も登れるかも知れない!?というような考えで、あー単純。
 ってな理由で、いつもの新宿スバルビル前に集合。車4台に余裕のヨッチャンで分乗し、中央高速をいざ三ツ峠へ!と向かった。さて着いたのは河口湖駅。今晩の宿はここ。駅と聞いていたので駅舎の中かと思いきや、銀マット(一部新聞紙)は駅という文字の後に"前"の一文字を加えた所に広げられたのだった。"駅"の持つ意味は広い。
 翌朝、白い視線を浴びる前に早々と三ツ峠へ。空は曇。降ろうか降るまいか迷っている空の下、てくてく林道を行ってみると、おーあった、あった。これが屏風岩だ!と目前に迫り、首とあごのラインは一直線!既に何本もザイルが垂れていて、中には蛍光色してる人もいたりで、眼はあちこちへと移る。
 小雨がパラついたりで岩のコンディンョンもいまひとつであるけれど、この岩のためにと準備した纏足シューズを着けて岩に取っ付く。でもやっぱり、見た眼より思ったように行かないもの。とにかく攀じらなくっちゃと必死に岩にしがみつき、ホールド捜しに泡をふいていると、横のほうをススーッと行ってしまう人がいたりして、あっけにとられてしまう。やっと着いたバンドで一息つけば、腕と手にはまったく力が入らない状態。見ると相変わらずガスっているけど、高所恐怖症の私にとってはこのほうが見晴らしが悪くて良い。さて登ったら降りなければならないわけで、ザイルを徐々にゆるめてもらい降ろしてもらったわけで。2本目では懸垂下降。自分の体を支えきれるか不安だったけれど、ズルズルと降りていくのは以外と面白かった。登っていても、この岩が崩れ落ちたら・・・・・・と思ったり、降りるときもザイルが切れたら、ゆるんだらと思ったりで、やはりそこは、岩も道具もみんな『信じる者は救われる』の世界ヘ入境しなければと思った次第の三ツ峠岩登りであった。
 岩場近くの小屋では、結構ハイカーで賑わっていたり、帰りはコバケイソウの咲く小湿原風ハラッパを行ったりで、岩のみでない三ツ峠なんかもあったりする。
 高所恐怖症はやっぱ東京タワーで足元の透明窓をのぞいて治そうかなっと。


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