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檜洞丸集中
その2 檜洞沢隊
鈴木 章子

山行日 1989年9月10日
メンバー (L)鈴木(章)、伊藤、野田、熊田、(堀田、原口)

 「アッコさん、集中どーすんの?」
 「どうしようかな。檜洞か。一度も行ってないし、沢からでも行こうかな」
どうも、最初から乗り気がしない。
沢がいいな。山頂になるべく近い沢が。地図を見ると、檜洞沢が、一番近い、山頂に。
 「よし! 行こう」
 メンバーは、手近な所、ルームで、私の前に座わった三人。伊藤さん、野田さん、熊田さん。ロートルながら、なぜか、たくましい面々。ヤル気が、ドンドン湧いてくる。
 前夜発、ユーシンに着いたのは、22時。あまりの賑わいに驚いてしまった。何と、ファミリーキャンプの大群。やっと見つけた駐車場。そこに幕を張り、明日の予定を話し合う? 今回のメンバーは、酒しだい。もちろん酒に手が伸びる。ところが今夜は、なぜかおかしい。伊藤さんが、早々寝てしまったのだ。それで皆も渋々床に付く。明日は6時半起床、8時出発を告げて。
 翌朝、7時起床、7時40分出発。予定は正午山頂着、2時まで飲んで、5時下山。あとは何も言わず、四人、ブラブラと、百パーセント馬鹿にして、沢に入った。ルート図も何もない。ただ地図だけ。
 ところが、何と美しい沢なのか。沢幅は広く明るい。石は白く輝き、日の光が一杯。水量も結構なものだ。滝は一つもなかったけれど、迷う事なく沢をつめて行けば、山頂直下に出られる。遊び心は十分に満たしてくれる沢だった。四人、ワイワイ ガヤガヤ(ほとんど叫びながら)、それなりに幸せに浸っていた。人に会わなかった事が、私はとてもうれしかった。でも、今回一番感激したのは、野田さんではないでしょうか。彼は、アマゴを素手でつかむという荒業をやってのけたのです。結局、小さいからと言う理由で逃してしまったが、その夜は野田さん一人、きっと、アマゴの恩返しを受けていたにちがいない。
 12時半に山頂に着き、ひたすら酒を飲み、皆の来るのを待つ。時間と共に一人、二人と増える仲間たち。悪いと思いながら、予定通り2時に下山。帰りは、同角山稜を堀田さんと原口さんを加え、六人でブラブラ下山。この下山道も、結構楽しい。
 駐車場には、予定通り5時着。全て予定通り。今回のメンバーに感謝しています。檜洞丸を十分に楽しむ事が出来ました。ありがとうございます。
 最後に、この沢は絶体お薦めします。ハードさはゼロです。でも、フラーっと遊びに行くには、最高!!


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