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秋山郷温泉つき山行
川田 昭一

山行日 1989年10月28日~29日
メンバー (L)日野、田原、秋場、斎藤、川田

 平家落人伝説で有名な秋山郷の温泉宿を一泊にしての山旅は全山紅葉がまっ盛りの中、いい雰囲気で始まった。
 初日は「愛チャン」率いるリーダのもと我々五人は苗場山の麓より「ナメコ」「ムキタケ」等のキノコを探しながらブナ林の中を苗場山頂に向けて高度を稼ぐ。樹林の層がブナからツガ、岳樺そしてオオシラビソヘと変わる頃、頂上台地の端ノ九合目に着く。おもわず風の令たさにエリを立てる。
 広い広い高層湿原につけられた木道に導かれて30分、やがて国土地理院が最近建てたヤグラが見えてきた。ヤグラの側には「国土開発」で営業している山小屋が「オオシラビソ」の林に囲まれひっそりと建っていた。今はシーズンオフで無人となっているだけに、夏場のような混雑さがない静けさがなんとも良かった。ただひときわ、田原氏の大きな声が周りの静けさを破って目立っていた。多分お清めの酒のせいだろと思います。自分もうまく酒は飲めたが田原氏のような大きな声がでないのは残念だ。下りはリーダの判断で登って来た道を下ることにした。
 和山部落の温泉宿での夕膳は地元で採れた材料での田合料理で豪華に盛られ、腹が減った我々は歓声をあげた。
 二日目は苗場山よりも登りがキツイ鳥甲山への登山だけに雨で中止にならないかと心の中で思いながら床に着く。夜中、寒冷前線の通過で降った雨も我々がでかける5時頃には幸か不幸か止んでいた。
 屋敷の部落へ車で移動し林道のワキに半ば倒れかけた「登山入口」と書かれた標識を見つけた。道は最初からものすごい直登で始まった。この急登は愛チャンの話しによると途中の屋敷山まで延々と2時間続くとの事。いいかげんいやになる。救いといえばブナの倒木を探し、キノコが出ていないかどうか見ながらの登りが単調な登りに色どりをつけてくれる。さすがの急登も屋敷山で一段落して道はピークを左に捲いて途中見はらしの良い三つのピークを越えて鳥甲山へ続いていた。
 鳥甲山のピークには真新しい二等三角点のヤグラが建っていた。ガスで展望のきかぬ頂上には長居は無用とばかり登ってきた道を下る。途中、土地の人が一級品とホメる小指大程のナメコを見つけた。田原氏は「うれしくなっちゃぅょ!!」と歓声をあげナイフでていねいに切り取ってくれる。
 美しく紅葉した秋の山を眺められ、季節の「山の幸」をたくさん収穫できた今回の山行を企画してくれたリーダの日野さん、ご苦労様でした。また一緒に山行されたみなさん大変に楽しい山行になってヨカッタですネ!!

〈所要時間〉
10月28日 小赤沢登山道三合目 →100分← 五合目 →30分← 天狗の清水 →35分← 九合目 →30分← 苗場山頂 →50分← 六合目 →50分← 三合目
10月29日 登山道入口 →90分← 屋敷山 →100分← 赤くらの頭 →25分← 鳥甲山 →90分← 屋敷山 →40分← 登山道入口

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