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御神楽岳
阿部 梨枝子

山行日 1989年10月21日~22日
メンバー (L)勝部、川森、川又、菅原、石田、飯塚、阿部

 10月21日 10時半にスバルビル前に集合し新宿を出発した車は、途中仮眠をとったあと快晴の青空の下、目指す御神楽へと向かって行く。今月は先週も先々週も雨にたたられてしまったけれど、今回はどうやらカッパの世話にならなくてもすみそうだ。山へ行く時はやっぱり晴れてる方が気分がいいもんね、などと思いながら窓の外に目をやると、右手には裾野をすーっと広げて磐梯山がとてもきれいに良く見えている。そしてはるか彼方には飯豊連峰。行きたいところはたくさんあるけれど、とりあえず来年は東北の山にも行ってみよう、なんて考えているうちにやがて広谷川沿いの車道に入り終点の少し手前のところで車を降りる。今日の行程は湯沢の出合まで。急ぐ必要はないので、なんとなく気持ちも楽でのんびりとしてくる。車道に続く道はほとんど登りのない平坦で歩き易い道だ。ただ、途中何度か越えた小さな沢は苔のついたツルツルの岩ばかりでけっこう緊張させられた。
 約1時間程で出合着。意外にも先客がいるようで小さなテントが一張り張ってある。(このテントの持ち主は男女のカップルで、山から下りてくると早々にテントを撤収して下りていってしまいました。きっと自分たちだけだと思っていたところへ山から下りてきたらいきなりむさくるしい(?)連中が7人もいたものだから、気を悪くして場所を移してしまったんでしょう。とんだお邪魔をしてしまったようで、ホントにお気の毒でした。) さて、テント設営後は昼食→酒盛り→夕飯→酒盛りと続き、その日は焚火を囲んで寝るまで延々と食べ続け、飲み続け、しゃべり続けていた。
 22日。晴れ。4時起床、の予定が5時になり、6時20分頃出発となる。最初からけっこうな急登で歩き始めはまだなんとなく頭がボーッとしてはっきり目が覚めていなかったが、歩き出して間もなくすると、そのうち眠気も吹き飛ぶような道ばかりが続くようになる。登山道は頂上までほとんど岩ばかりの道でぼんやり歩いてはいられない。あるところは足元からスパッと切れ落ち、またあるところは針金やロープを頼りに、そしてまたあるところは三点支持でといった具合で「東京付近の山」には『壮大な岩壁と深い渓谷をもち谷川にも優るとも劣らない山云々・・・』と紹介されていたが、本当に右を見ても左を見ても岩だらけの山で、立ち止まって周りを見るたびに「スゴーイ!」という言葉を連発していた。たしか標高は1400mぐらいだと思ったけれどやたらに大きく感じられる。湯沢の頭付近から見た御神楽は、特に大きく見えた。
 10時半頃頂上着。じっと座っていると居眠りしてしまいそうな位のポカポカ陽気。そのためか周りの山もかすんで見える。写真を撮って間もなく下山。同じ道を引き返し、14時頃幕場に下りる。帰りはやっぱり温泉(あすなろ荘500円)につかってから帰京となった。
◎行く前は御神楽という名前もどこにあるのかもよく知らなかった山。でも予想以上にスリルもあり、また人も少なく、とってもとってもよい山でした。コースは福島県側にもあり、頂上から40分位のところには避難小屋もあるそうです。
◎皆さん夜遅くまで本当にお疲れ様でした。

〈コースタイム〉
湯沢出合(6:20) → 高頭(8:05) → 1184mピーク(9:00) → 御神楽岳(10:20~50) → 1184mピーク(12:00) → 湯沢出合(14:00)


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