トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ273号目次

黒川鶏冠山
阿部 梨枝子

山行日 1990年4月8日
メンバー (L)阿部、牧野、服部、荒川、吉田

 4月7日 土曜の夜、塩山駅前の峡東タクシーの待合室にて仮眠。たしか天気予報では「海山は大荒れ・・・」と言っていたような気がする。そして予報どおり8日は朝から雨だった。それでも塩山を出る時にはそうたいしたこともなく、この程度ならどうってことないやなんて思っていたら柳沢峠に着く頃には雨はザンザン降り、風はビュンビュン吹いていてせっかく春の陽気の中、富士山を眺めながらルンルン気分で歩けるなんて思っていたのに、これじゃあとてもハイキングどころの天気じゃない。でもタクシーは戻ってしまったし、今更歩いて帰る訳にもいかないし、とりあえず六本木峠までは行ってみることにして車道横の石段から歩き始める。山の中に入ってしまえば雨も風もそう強くはなく、熊笹の中につけられた道は広く緩やかで山を登っているという感じがしない。ほどなく六本木峠ヘと着いてしまった。右は丸川峠へ続く道。鶏冠山へはそのまま真すぐ進む。見晴台の分岐を左に見て数分も行けば、鶏冠神社奥の院がまつられた頂上へと着く。 ニワトリがたくさんいるから鶏冠山て言うんだよと言ったら本気にしてた人がいたけれど、そうではなく鶏冠山という名前は山頂の岩峰がニワトリのトサカに似ているところからつけられたのだそうで、そう思ってみればそう見えないこともない。相変わらず風は強く雨も一向に止みそうな気配はない。展望なんてもちろんあるはずがなかった。
 六本木峠へ戻る途中、登山者が一人。こんな雨の日になんて物好きな、と思ったら他にも一人、そしてもう一人。近づいてみるとなんとその三人というのは今村さん、斎藤さん、野田さんの三人だった。黒川谷へ入る予定だったのがやはりこの雨で歩きでここまで来たとのこと。お疲れ様でした。こんな所で会えるなんて嬉しいやら可笑しいやら。でもこれでバッチリ御三家が揃ってしまったわけで、今日のこの天気も妙に納得してしまったりして、やっぱりねえ・・・。
 さて、三人と別れたあとは六本木峠まで同じ道を引き返し丸川峠へと向かったが、この道にはまだ結構雪が残っていた。12時すぎに丸川峠に着き小屋で休んだ後、滑りやすい道を裂石へと下って行くと、私たちが山から下りてくるのを待っていたかのように天気はものすごい勢いで回復し、超快晴となってしまった。全く、今までのあの天気は一体なんだったんだろう、とブツブツ言いながら温泉に向かい、そのあと塩山で馬刺しとほうとうでお腹を満たしてから帰路についた。

 今回は生憎のお天気でしたが、子供からお年寄りまで誰でも気楽に歩けるコースです。家族連れでぜひどうぞ。


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ273号目次