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袖沢中門沢
牧野 美恵子

山行日 1990年9月22日~24日
メンバー (L)勝部、安田、小川、吉江、牧野

 小出までの夜行直通列車が無いため越後湯沢にてとりあえずステーションビバーク。一番列車にて小出まで行き、小出よりタクシーにて奥只見ダムまで入る。
 ピーカンの空の下ミノコクリ取水ダムまでえっちらおっちら袖沢林道を3時間半ほど歩く。袖沢林道の出発点は国土地理院発行の二万五千分の一の「高幽山」の左上角にあり、本日の幕営予定地ウグイ沢出合は地図を斜めに横切った右下にある。林道歩き始めの頃は一日でそんなに行けるのか不安も覚えていたが、ひたすら歩き正味 3時間強で取水ダムに着いたとき内心ホッとした。それと言うのも手元にある中門沢溯行図中の参考タイムが、余りにもかけ離れていたからだ。片方は林道歩き4時間半、溯行時間18時間強、もう片方は各々3時間半と7時間となっていた。どちらも記録であるが沢の状況その他諸々の条件によってこんなにも差が出てしまうものであろうか。今回の沢の状況がこの二つの記録のどちらのほうにより近いか、出発前から大変気になっていたからだ。
 幾分心も軽やかになり溯行を開始する。あまり高度のある滝もなく、滝歩きという感が強い。でも久し振りの沢との対面なのでおもいっきり水とたわむれる。初めて沢登りに参加された吉江君も積極的に水に入って楽しんでいたようだ。
 ウグイ沢出合より少し先に行った地点に幕を張る。勝ちゃんは自分が寒さで震えてくるまでタビもシャツも幕場に着いたときと同じ服装でたき火起しに専念していた。私達はその恩恵を受け暖をとらせていただきましたが・・・・・・。芯から暖まろうと内側にもアルコールを注いでいたことは言うまでもありませんがね。
 翌朝は二・五万図と高度計を主に溯行図を補助としてルートファインディングした。小滝の連続する箇所もあったが水に入るにはまだ肌寒い等と思っているうちに水流も細くなってしまい、水筒を満杯にした。源頭をつめて行くと、トレースがわずかに残っているようないないようなやぶに入った。やぶこぎ1時間弱にて中門岳南東直下に出る。
 まだ日は高いがこの風景を存分に楽しもうとここで幕を張ることになる。午後のおちゃ(け)を飲む。平ヶ岳、燧ヶ岳を始め360度山が望め、我々の貸切となっているこの場所この時間。ぜい沢しているなという気になる。
 最終日、中門岳の草紅葉の黄色がとても鮮やかだ。駒ヶ岳を通り檜枝岐に下り立った。

〈コースタイム〉
22日 越後湯沢(6:29)(電車)小出(7:09~13)(タクシー)奥只見ダム(8:00~20) → 北沢(9:35~50) → 七里沢(10:45~11:00) → ミノコクリ取水ダム上(11:55~12:20) → 下ノ沢出合(13:30) → ウグイ沢出合(14:55)(幕)
23日 幕場(6:55) → 一本(1335m附近)(8:10~25) → 一本(1670m附近)(10:10~30) → 中門岳南東直下(12:00)(幕)
24日 幕場(6:00) → 中門岳(6:10) → 駒ヶ岳(6:55~7:00) → 駒ノ小屋(7:10~25) → 檜枝岐(9:30)

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