トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ274号目次

前穂北壁、四峰
飯島 豊

山行日 1990年7月27日~31日
メンバー (L)金子、井上(博)、飯島

 奥又白ノ池への登りは苦しく、15分歩いてはそれ以上ブッ倒れて眠りこんでしまった。
 7月27日、夜行で上高地入りする。上高地はいい。3回目であるが何度来ても良い所で、気持の引き締まる思いがする。新村橋までは一般の人達も多かったが、そこより奥又白谷の道はほとんど誰も歩いていなかった。雪渓を詰めると道はなくなりかなり急な登りとなる。岩場はまだ登り易いが、だがヤブと岩になるとかなり苦しく、ザックの重さにもやられ進む時間よりも休む方が長くなっていた。ザックから行動食を取り出すのも面倒で、ただひたすら眠ってしまい、豆タンクのような蚊に刺されさんざんであった。もう池には行きつけないと思ったりもした。金子さんが宝ノ木をみつけてくれ池についた時はただ、ただホットした。この夜の食事は何であったか忘れたが、金子さんの考えてくれた4日間の食事はバラエティに富みとても良かった。(天気は良かった。)

 7月28日
 朝早く起き食事を済ませ前穂北壁へ向かう。日射しは強く雪渓がまぶしい。ルートは北壁~Aフェースである。金子さんと井上さんが先に登り最後に私が登った。登攀中は日も陰り快適であった。前穂に出たのが午後3時頃であった。
 昨年は一般の登山道から前穂に登ったが、今回は岩壁を登ってきたことが非常にうれしかった。
 下降路は地図をみてもガイドをみてもむずかしく、登り直しもありテントについたのが夕方7時半頃であったと思う。

 7月29日
 快晴、この日は前穂北尾根、四峰正面壁松高ルートを登る。まともに日を浴び、私はもうすこしで日干しになるところであった。核心部は多少外傾した松高ハングという所で、腕力で乗り切る。四峰に出てからは北尾根を前穂に向かう。三峰の登りはむずかしくザイルを出してもらい越える。この北尾根は去年より一度は来てみたいと思っていた登路であった。ここの高度感は素晴らしかった。
 テン卜に戻りこの日もまた大食いをする私であった。

 7月30日
 この日はタマにはのんびりしていようと思い池のテントでごろごろしていた。やはりヒマであった。金子さん、井上さんは四峰の新村、北条ルートを行った。二人は夕方4時前にはテントにつき、ルー卜を途中から外山ダイレクトルートを行ったとのことでした。二人のパワーに感心する私でした。

 7月31日
 この日も快晴、朝4時ごろ起き6時か7時ごろ下山を始める。
 下におりてからはラーメンとビールで気持よくなり列車に乗りこんだ。

 穂高のおいしいところを全てもらったようで、私は大満足であった。


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ274号目次