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編集後記

 「あれ、あれだよ」
 「あ~、ホントだ、フフフ・・・・・・」
運転席から見上げるウルトラう○こは、その日も金色にサンゼンと光り輝いていた。
 首都高六号線を隅田川沿いに北上して行くと、やがて浅草辺りで右手に現われる「う○こビル」。僕はこのビルを見る度に楽しくなってしまう。
 しかしそのモノを最初に見た時は、本当にびっくりした。
 「ウルトラマンのウルトラう○こだ!」
と、瞬時にそう思った。ビルの上で陽の光を受けて金色に輝くそのモノは、太陽エネルギーを吸収して巨大なパワーを発散するう○こそのものであった。ずっしりとした質量感! その力強いフォルム! ウルトラマンはTVでは一回もう○こをしなかったが、そんなパワフルなう○こをするのはウルトラマン以外には考えられない。
 聞くところによると、この黒いビルは聖火台を模したビアホールで、屋上にくっついているモノは全社員が一丸となって燃えている様を表現しているのであると、所有者のアサヒビールでは言っているらしい。
 だが、それは冗談にしてもユーモアが無さすぎる。そんなタワゴ卜を誰が信じるであろうか。あれはどう見てもう○こである。「?斗ウンだろう」と言う人もいるが、まあそれは善意の解釈というものだ。あの質量感といいフォルムといい、飛行する物体のものではない。断固として落下する物体のものである。あれがう○こに見えないやつは一歩前へ出ろ! と言いたい。
 私見では、あのビルは architectual scatology である。横文字だと「おっ」と思ってしまうが、何てことはない、つまりは、「ビルの上にう○こをくっ付けちゃうなんて、スッゴイユーモアじゃん!」
ということである。日本の都市景観は、それを構成する建築物の、周囲との調和を無視した勝手バラバラな乱雑さをひとつの特徴としているが、この奇異な建築物はその中にあって秀逸である。都内最大の駐車場と化した首都高の脇で、文字通り異容を誇っている。奇抜さもそこまでくるとユーモアに変じる。これはけなしているのではない。褒めているのである。アサヒビールは、あれは社員が一丸となって燃えている姿なのですなどと恥ずかしいことは言わずに、ドードーと「あれはウルトラマンのウルトラう○こなのだ。撃ちっぱなしで飛んで行ってしまったのだ」と主張すべきなのだ。
 フト思いついたが、ゴルフのコンペの時などのトロフィーに、同社はあの形を採用したらどうだろう。応接間のサイドボードの上なんかにズラッと並んだトロフィー群の中に置かれても、それなら絶対目立つ。しかも、ウケルこと間違いなし。ユーモアを解さない輩がいたら「これは燃える闘魂なのだ。すごいウンが付いたのだ」と言えば良ろしい。
 しかし、バレンタインデーのチョコレートにあの形を採用するのは控えた方が無難である。理由は自ずからおわかりだろう。ちょっと見分けがつきにくくなってしまうからである。カリントと。

*   *   *

 これで今年度も終わりだ。今年も速かった。年々時間の過ぎるのが速くなって行くような気がする・・・・・・
 伊藤君子のボーカルは心にしみる。All in love is fair ・・・・・いい唄だ。いい唄だ。

(服部)

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