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城ヶ崎海岸
金子 隆雄

山行日 1991年1月13日~15日
メンバー (L)菅原、金子、大泉、荒川、鈴木(章)、飯塚、斎藤、飯島

 城ヶ崎海岸はフリークライミングをやる人には有名な所なので知っている人も多いと思うが、簡単に紹介しておく。伊豆半島の東海岸に約10kmにわたり大小様々な入江にルートが開かれている。正確なルート数はわからないが1000本以上あるといわれている。ルートはほとんどがクラックで、岩は比較的堅くしっかりしており傾斜はきつい。但し、波打ち際のルートは満潮時には確保者は波しぶきを浴びることになるので注意。詳しいことは色々な雑誌やガイドブックに紹介されているので、それらを参照してほしい。
 1月13日の朝、新宿に集合し車で伊豆へ向かう。今日の予定のフナムシ・ロックエリアに昼頃着く。ここは約10kmあるクライミング・エリアの一番端に位置し、比較的易しいルートが多い。易しいとは言っても城ヶ崎の中では易しいということで、我々の(私といったほうがいいかな)レベルからすればけっして易しくはない。純、樹氷、鬼ごろしといった多分酒好きの人が名前を付けたのだろうと容易に想像できるルートを数本登る。
 夕方になり、酒と食料を買い込み、今夜の宿へと車を走らせる。この海岸の近くにはキャンプできる場所がないので(あるにはあるがちょっと遠い)今回の我々は、斎藤さんと飯塚さんの会社の保養所に身分を偽って泊ることになっているのである。まずは今日は斎藤さんの会社の保養所だ。この保養所は、道路を挟んですぐ海なので、眺めは素晴らしい。またマンションの一部屋を借り切ったようなかたちなので、酒を飲んで騒いでも他に迷惑をかけることがないのがまたいい。
 14日、今日は昨日来た道をまた戻り、海岸近くのセブンイレブンで昼食を仕入れてからクライミングに向かう。今日は城ヶ崎の代表的エリアのファミリー・クラックエリアでのクライミングだ。例の吊り橋の下の最も観光客の視線を浴びる場所なのだが、今日はあまり人が来ない。それもそのはずで、今日は平日なのだ。我々のほかにここにいるのは、韓国人らしき二人のクライマーと家族連れのクライマーだけで、空いている。入江の両側にトップロープを垂らし登ってみるがけっこう難しく、もっぱら見物にまわる。午後になって日があたらなくなってきて寒いので、場所を移すことにして適当な場所を探すが、なかなか日当たりの良いところがない。結局30分ぐらい歩いてあかねの浜という日当たりの良い入江に場所を移す。ここで昨日フナムシ・ロックで一緒だった講習会らしき連中とまた一緒になった。薄暗くなるまでここで登り、漁火を横に見ながら今夜の宿へ向かうために駐車場へ急ぐ。今夜は飯塚さんの会社の保養所に厄介になることになっている。伊豆高原駅から少し上がった閑静な所にある。昨日は自炊だったが、今日は食事付きでなかなか豪勢である。夜中に飯島君が到着し、駅まで迎えに行く。
 15日、昨日と同じあかねの浜へ行く。朝早いせいか誰もいないので、好きなところへロープをセットできる。ほとんどのルートが海岸沿いについている遊歩道上からトップロープをセットできるので、難しいルートでも安心してトライすることができる。午後3時ぐらいに引き上げて、途中伊東の銭湯に入り、帰途につく。


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