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雪上訓練(富士山)
飯塚 陽子
山行日  1991年4月13日~14日
メンバー  (L)山本(信)、金子、荒川、井上(博)、飯島、吉江、小川、飯塚
 (14日のみ)菅原、今井、大泉、阿部、斎藤

 春合宿を前にして雪上訓練が行なわれました。この訓練の目的は富士山登頂(剣ヶ峰)でありましたが、共同装備の手配が不十分であったことと、天候にも忘まれなかった為、この目的は達成されませんでした。
 1日目は、河口湖より五合目までバスで上がり、そこから佐藤小屋へ行く途中の適当な斜面でまず滑落停止から行なわれた。が、ほどなくして怪しげな空から雨が降ってきて、この日はほとんど何も出来ずに終わってしまったのだった。そしてこの日は、元佐藤小屋の従業員が使ってたらしき小屋に、総勢8名が入りこみ、その中をちょっぴり改造してその晩の宿にしてしまったのだった。しかしなかなか居心地の良い小屋であった。
 2日目の雪訓は、五合目からの富士山登頂という予定であったが、出発直前に雨が降り出し、上空は強風でかなりあおられている様子で中止せざるを得ない状況になってしまった。結局この日は場所を変えての雪訓となる。日の出と共に回復した天気に、夜中の雨は一体何だったんだろうと思わせる程の快晴の強い日ざしの中、五合目上部に残雪を求めて雪訓は開始された。滑落停止、雪上確保等が重点的に行なわれた。滑落停止は、だんだんと滑落する距離を延ばしたり、逆さになって転がりながらのスリル満点の滑落停止も行なわれ、中には病み付きになっている人もいた。雪上確保も、肩がらみ、腰がらみ、コンテの場合等、その状況によってのやり方を教わる。こうして繰り返し繰り返し練習していくうちに、だんだんとコツが飲み込めて、それぞれ身についていくものだと思うし、実際にも使える技術となるのだと思う。途中で後発隊がやってきたが、別々に練習した。そして先発隊は午前中一杯の雪訓を終え、例年になく残雪の少ない富士山を後に、帰途についた。


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