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谷川岳雪洞訓練
井上 雅春

山行日 1991年3月2日~3日
メンバー (L)佐藤(明)、城甲、吉江、井上(雅)

 3月1日発、湯沢行の夜行列車にて土合駅へ着き、周りは既に寝ているにもかかわらず、静かに酒盛りは始まる。
 今回の参加者は、雪洞のスペシャリスト佐藤明氏、若手ナンバー1の吉江君、初顔合せの城甲氏。私にとっては一昨年より実現できなかった雪洞、今年こそはと喜んで参加。
 飲み始めて間もなく、隣で寝ていた谷川千回行の名物おじさんが起きてしまい、うさんくさそうな顔をして向うに行ってしまったのを見て、明日もあるからと就寝。
 翌朝は、のんびりとロープウェイが動き出すのを待ち天神平へ。雪洞はもちろん、ゲレンデスキーも楽しみであったので、山頂へ向かう城甲氏を横目に二人で半日スキーを存分に楽しんだ。3時頃天神平駅前にて待合せ、いよいよ雪洞掘り。場所はいつものところだそうで、5分程歩くだけのすぐ側、着くともう既に2、3のパーティーが雪洞を掘り終えてくつろいでいる様子。今年は雪が多く下の方は数日前の好天でしまっているので、 コンデインョンは良好と言う明氏の指導のもと、早速掘り始める。最初はあまりにも漠然としており、はてどれ位かかるものかと不安であったが、2時間もあれば充分との明氏の言葉にひと安心。入口からしばらく真直に掘り進み、あとは左右に拡げていく。交代で掘り続けるも、掘っている最中は暑くて汗が流れてくるが、外は雪が降り出し風も出てきてかなり寒い。1時間半程ではぼ出来上り、後は内装を丁寧に仕上げ棚を作り完成、四人用にしてはかなり広く快適そうである。ビバーク時の雪洞は必要最低限しか掘らないのだろうが、何せ今回はのんびり遊んだ後の余裕の雪洞、大人のかまくら遊びである。ひと息ついて城甲氏差入れのビールで竣工を祝い乾杯、あとは最近凝っている白波の梅湯割、他のメンバーも明氏は言うまでもなく吉江君城甲氏共酒とつまみには事欠かない。明氏の酒造り講義や吉江君の勉学と体育会サークルプラス山岳会三両立の話、城甲氏も昔かなり山をやっていたらしく経験も豊富で話も盛り上る。メインディッシュの「いくら丼」を食べもうひと頑張りして終宴。四つのシュラフが並んでもかなりあまる程のスペース。入□から雪が吹込んでくるのが心配であったが、これだけ大きいから大文夫だろうと言うので、ゆっくりと休むことができた。
 翌日ものんびりと起きてゆっくりと朝食を食べる。山頂へは誰も行くつもりがないので、さっさと撤収?して、回数券の残りを使うだけ滑る。下まで滑る予定であったが、昨晩の積雪で滑れそうもないのでロープウェイで下りる。タクシーで谷川温泉へ行くが、時間が早過ぎてどこも入れてもらえず(午後1時以後でないとダメ)無念の思いで水上駅へ。大宮ホテルも相変らず閉まっており、やむなく温泉をあきらめる。早々に家に帰り着き銭湯へ行き物足りない気持を充足する。楽しいだけの山行でした。


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