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八甲田山
遊佐 勝見

山行日 1991年6月22日~24日
メンバー (L)鈴木(章)、服部、石山、遊佐

 八甲田山は、南と北に分かれ、北はポピュラーで人の出入も多いが、南は入山者が少なく、山も大きく深く、自然も荒れてなく、美しい高山植物が無数にある素情らしい山域である。昨年入院後、暫く山に行かなかったが、今回、久しぶりに長い山行に参加することにし、前日福島の実家に寄ってから青森駅で皆と合流した。
 6月22日、青森駅からJRバスで気持ちのよい高原道路を辿ると1時間強で猿倉温泉に着く。休息後、いよいよ南八甲田の駒ヶ峯に直接登る道を歩き始めたが、道はそれほど悪くない。頂上直下には湿原が広がり、のどかで美しい。約2時間強で項上に着くが、ここは狭い。そこから20分弱下りた所で下の道と合い、テント場があり、近くに小川もある。テントを張ってから櫛ヶ峯に向かう。途中、笹が多くかなり悩まされる。最後は、広く長めの登りとなるが、途中雪溪が残っていた。道筋がついていたが、昔は人が少なく踏跡がなかったそうだ。項上からの眺めは素晴らしい。どっしりとした山容が雄大に並んでいる。その後、往路を下りて、 1日日を終えた。
 6月22日、テント場から猿倉温泉に向かって5分弱歩くと、右に、黄瀬沼への分岐がある。ここから沼まで30分で着くが、笹が多く、今日のように濡れた日はこたえた。沼は、水バショウ等が咲き、静かで美しい。しかし沼から奥への道は荒れているとのことである。その後、分岐点まで戻り、平らな道を約2時間歩き、猿倉温泉に着いた。暫く休んだが、小雨が降り続いた。
 小雨が降り続きそうなので、北八甲田山の高田大岳に直登するのは止めて、バスでロープウェイ駅に行き、ロープウェイで田茂萢岳に登った。そこから1時間弱登り赤倉岳に着いた。頂上では、脇の火口と思われる岩壁が凄いので、あまり近寄らない。雲の間からは近くの山々が時々顔を出した。その後、更に井戸岳の火口のわきをノロノロと通り、無人の大岳ヒュッテに着き、休んだ。
 6月24日、夏スキーをする人は、大岳ヒュッテから左側(北側)の踏み跡をたどり、雪溪に出るそうである。僕らは八甲田大岳に登った。ここにも火口がある。左側に下りて行くと湿原があり、高田大岳への分岐点に出た。ここから小岳への登りは笹が多く、すっかり濡れてしまった。小岳を登りきって越すと、高田大岳への長くきつい登りが待っていた。約1時間後にやっと頂上に着き、小雨の中で少し休憩を取った。9時14分に下り始めるが、初めの下りは急だ。そのうち本格的に雨が降ってきて、ズボンは泥んこになってしまった。10時半、谷地温泉に着き、古く静かな混浴でゆっくり休んだ。
 八甲田山の周りには良い温泉が多く、酸ヶ湯等が有名である。退院後、暫く山から遠ざかっていたが、今回の山、特に南八甲田山の静かで深く大きな山容はとても印象的で、また山に行きたいという意欲を起こさせた。青森では、章子さんの友人にご馳走になって、長い山旅を終えた。

〈コースタイム〉
22日 猿倉バス停(10:50) → 猿倉温泉(11:12) → 駒ヶ峯(13:15~13:30) → 幕場(設営)(14:05~10:45) → 櫛ヶ峯(16:07~16:24) → 幕場(17:45)
23日 幕場(6:40) → 黄瀬沼分岐(6:45) → 黄瀬沼(7:15~7:45) → 黄瀬沼分岐(8:22~8:30) → 猿倉温泉
八甲田ロープウェイ山頂公園駅(14:12) → 赤倉岳(15:09) → 井戸岳(15:18) → 大岳ヒュッテ(15:30)(泊)
24日 大岳ヒュッテ(6:25) → 大岳山頂(6:40~7:00) → 小岳(7:55~8:02) → 高田大岳(8:57~9:14) → 谷地温泉(10:30)

入湯料 猿倉温泉 300円、 谷地温泉 300円


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