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集中山行 上越・朝日岳
その7 大倉沢
大泉 洋

山行日 1991年9月22日~23日
メンバー (L)大泉、菅原、別当

 この沢は去年の8月、今井さんの例会山行として組まれていたのであるが、個人的都合(実は腰痛)により尾根(土合~白毛門~朝日岳)への転進を余儀なくされた経緯が有り、集中が朝日岳ということで是非とも行きたくて、菅原さんの湯檜曽川本谷のプランを変更してもらい行くことが出来ました。
 大倉沢は湯檜曽川を十字峡まで溯行し、抱返り沢の大ナメ滝を正面に見て、右から流入している沢である。その溯行は40mの大滝を含む数多くのナメ滝で構成されていて、滝の高巻きはほとんどがスラブの側壁上のいやらしいトラバースとなっている。けっこう覚悟して取付かないと非常に危険である。(溯行図は岩つばめ274号の今井さんのものが大変参考になります。)
 9月22日、晴~曇。いつもは朝が遅いのだが、大倉沢は朝日岳まで行かなければ幕が張れないので、7時に土合駅を出発。武能沢出合まで湯檜曽川右岸沿いの新道を進む。いよいよ溯行開始。十字峡までは沢登りの楽しさを十分に堪能する。大倉沢に入ってからは下調べの段階では何でもないような所もロープを出したりで苦労させられた。思いの外時間がかかってしまっているので、あせりも出る。
 滝の高巻きはいやらしい草付とホールド、スタンスの少ないスラブ。涙が出る!だけどこういう時に頼りになるのが別ちゃんなんだな。こういう所を喜んで登ってくれる?!から非常に助かる。感謝してまっせ!
 今井さんの記録によると、アイスハンマーが有効であったとのことで、今回全員用意して来たのであるが、大雨の為、土が落ちてしまったのか全く役に立たなかった。この日の為にミゾーのアイスハンマーを購入し満を侍していたが、堅い堅いスラブに跳ね返されるばかり。非常に残念であった。
 それでも何とか突破しつつ行くと、やがて源頭部に行き着く。例のごとくツメを誤りとんでもないヤブコギとなる。最近、荷物を担いで山を登っていない私はもうヨレヨレ。二人の後を遅れぎみになりながら追って行く。
 途中で、尾根を登って来た田原さんがモートーコールを掛けてくる。それにはげまされどうにか尾根に出る。最後の二俣で左の方に進めば池塘のある草原に飛び出すはずだったのだが、どうやら右の方に進んでしまったようだ。
 朝日岳のテントサイトに幕を張り、田原さんと合同宴会。夜からは雨になり、沢の中にいる連中は大変だろうなと思いつつ、シュラフに横たわる。
 9月23日、快晴。
 本当に良い天気。朝はまだ雨が残っていたので、今日も行動しているパーティーは大変だったろう。だが我々はシュラフに入り、暖かいテントの中。そうこうしている内にぞくぞくと集合してくる。各パーティーとも以外と早く来たのでビックリしてしまう。集中のように最後にみんなの顔が揃う山行ってとても好きだ。
 下りは各自のペースでのんびりと下りる。いつものように温泉に入り食事をしてから帰路に着く。みなさんおつかれ様でした。

〈コースタイム〉
土合(7:00) → 武能沢出合(8:30) → 十字峡(10:00) → 6段25m滝(11:00) → 3mCS滝(12:10) → 源頭部(15:00) → 朝日岳(15:30)


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