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八ヶ岳天狗尾根
菅原 康之

山行日 1991年12月22日~23日
メンバー (L)菅原、大泉、今井、水畑、阿部、石山

 正月合宿前の足ならしとして前々から行ってみたかった所で、八ヶ岳なら風も強いだろうし雪もあれば岩稜のよいトレーニングになるだろうと思い、企画した。
 12月21日、私の車で小淵沢駅まで行き、そこで大泉君が列車でくるまでシュラフにもぐりこむ。
 12月22日晴れ、5時すぎに大泉君が到着し、まだ暗い中を美しの森駐車場に向けて出発するが、意外と早く駐車場に着いたので明るくなるまで仮眠をとる。
 肌を刺すような冷たい空気の中、川俣川東谷の右側につけられた林道を快晴の中トボトボと進む。途中より堰堤工事場所より地獄谷に下り、沢の中を右岸、左岸と堰堤を越え、2時間30分位で出合小屋に着く。小屋は無人で開放され10人位が寝泊りできそうである。
 ルートは地獄谷本谷の左岸にある赤岳沢に入り、20~30分歩いたあたりで左側のルンゼより天狗尾根をめざす。途中軽いヤブこぎと急な雪壁が現われ、慎重に登ると天狗尾根末端にはい上り、ここにて小体止をする。樹林帯の中踏跡の続く尾根を快晴の中快調に進みながら、時おり背後の山並みや権現岳、キレットに目がいく。途中より水畑さんの体調がよくないので、カニのハサミより1時間位手前にある鞍部にて、日はまだ高いがテントを設営する。
 12月23日晴れ、まだ暗い中テントをたたみヘッドランプを点けながら登ると、背後よりきれいな朝焼けが我々を染める。森林限界あたりまであがると風が強くなり、完全装備になり核心部へと向かう。核心部とは、カニのハサミと10メートルと30メートルの岩壁、さらに大天狗小天狗と続く岩稜帯である。まず最初のカニのハサミは岩峰の左側を通過、10メートルの岩壁は3級程度でノーザイルで直登するが、30メートルの岩壁の直登は少々イヤラシイのでザイルを付けて左側のバンドよりトラバースして草付の凹角を登って岩稜へ上る。岩稜の右側はハイマツ帯でやや傾斜はゆるいが、左側の地獄谷側は大きく切れ落ちている。目の前には大天狗が立ち塞がっている。大天狗は一般には右の赤岳沢にトラバースして岩場を登りハイマツのバンドを利用して岩峰を巻く。我々も一応安全の為ザイルを付けて同じルートを進む。この上の小天狗は左側を踏跡に導かれながら巻くと上部で縦走路に飛びだす。赤岳山頂にはけっこう人がいてにぎわっていた。我々も記念写真を撮り下山路の真教寺尾根に向かう。真教寺尾根は樹林帯まで急な下りで、森林帯に入るとほどよく雪があり、右側の天狗尾根に時おり目をうつしながら、美しの森駐車場へと下山する。

〈コースタイム〉
22日(晴れ) 美しの森(7:00) → 地獄谷出合(8:00~8:15) → 赤岳沢出合(9:40~9:45) → 天狗尾根(10:50~11:00) → 2200m地点(12:30)
23日(晴れ) テント場(6:20) → カニのハサミ下(7:15~7:30) → 縦走路(10:25~10:30) → 赤岳(11:05~11:40) → 美しの森駐車場(16:20)

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