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朝日連峰縦走記
《快い汗と爽やかな歌声の大朝日岳》
城甲 紀夫

山行日 1992年9月12日~15日
メンバー (L)勝部、原口、鈴木(嶽)、石田、小林(勝)、井上(雅)、安斎、城甲

第1日目 9月12日(土)
 鶴岡駅で鈴木嶽雄氏と落ち合いメンバー8人勢揃いして泡滝ダムヘ。
 登山口には車がタクシー含め30台前後停車していて静かな朝日連峰の大いなる賑わいを予告。大鳥小屋へは緩い大鳥川沿いの道で全員軽い足取りで到着。
 途中の昼食時に卵スープが出され今までの山行に無い雰囲気だったが、到着と同時に出されたのが原口氏による御薄と三笠山、ビールの摘まみがテンプラと野菜サラダ等延々と出され、乾きものには全員見向きもせず。鱈腹飲み食いした後にメインの手巻き寿司。半分以上残って夕食担当の石田さん真っ青。
 鶴岡着(7:58) → (タクシー)→ 泡滝ダム(10:10) → 大鳥小屋(タキタロウ小屋)(13:45)

第2日日 9月13日(日)
 同宿の連中が出立した後、ゆっくり出発。天気も足取りも快調。三角峰よりの稜線歩きで少々だれるが、原口氏の後続者への配慮も有り順調にウツボ峰を経て以東岳頂上に。期待した紅葉には少々早かったが、初秋とは思えない草花の瑞々しさが印象的で、月山・鳥海山のゆったりとした山容を跳めながらゆっくり休憩。
 以東岳よりは坦々とした稜線漫歩で快適そのもので、のんびり中先峰へ。期待していなかった高山植物も今の時期にしては彼岸此方に咲き乱れて思わぬ目の保養。タカネマツムシソウ、ミヤマリンドウ、ウメバチソウ、ハクサンシャジン等々。
 途中、神戸海星の女子高校生の黄色い挨拶にリーダーは特に快調。原口氏の"一部OG含む"の発言にはつよく非難集中。狐穴小屋で黄色い声の持主とも、天狗角力取山への道とも別れ三方境へ。快適なテンポも竜門小屋の手前迄で、小屋に到着してみれば満員の盛況。環境が悪いと覿面自己都合の性格が出るのはどこの世界も同じだな。お陰で土間に5人、小屋の外ヘ2人。唯一小生は厭味之介よろしく譲ろうとしないパーティの間に無理に割り込んでゆっくり足を伸ばして熟睡。
 大鳥小屋(7:35) → 以東岳(11:00) → 狐穴小屋(14:35) → 竜門小屋(15:45)

第3日目 9月14日(月)
 リーダーの人柄を映し穏やかな好天続きで本日も快晴。昨夜の小屋の事も終わってしまえば楽しい思い出で、南の方には飯豊の石コロビ沢の雪溪がクッキリ見えて印象的。
 西朝日岳より中岳を捲いて金玉水へ。ヌマガヤの緑とクカネナデシコの可憐なピンクが魅力的。
 小屋脇にザックを置いて大朝日岳へ。ガスが出て展望は利かないがここで素晴らしい出合いが有って至福そのもの。基督教独立学園高校の生徒達の素晴らしい合唱の歓迦で全員ウットリ。最近の子供達の印象を一変させてくれた明るさと真摯な態度に心洗われた所で、銀玉水へ下って昼食。
 これより本日のハイライトの熊越からの小朝日岳の登りで一汗かいてすっきリ。小休止に急登の汗も一気に吹き飛び、鳥原展望台を経て鳥原小屋へ。後は原口氏に脅された鉱泉小屋への最後の下りも元気にこなし、無事下山。
 一風呂浴びて3日目の大宴会を開いて全員の無事と好天続きと大朝日の素晴らしさを堪能した事を肴にまたまた痛飲。ハイレベル(年令)なパーティでしたが、脚力・食欲ともにハイパワーなパーティだったようです。
 竜門小屋(8:30) → 大朝日小屋(11:00) → 鳥原山(15:00) → 朝日鉱泉(17:45)

第4日目 9月15日(火)
 朝食を取っていると制服の人達がゾロゾロと出動。後で判明したのだが、死亡を含め2件の遭難が有った模様。お互い注意いたしましょう。
 今回は台風と雨の間の好天に恵まれた3日間でしたが、そのうえリーダーの人柄や原口氏の料理もさりとて、独得のゆったりとした鈴木調に乗せられて、快い、穏やかな山行でした。
 朝日鉱泉(8:30) →(タクシー)→山形駅


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