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集中山行・谷川岳
その4 一ノ倉沢滝沢第3スラブ
別当 琢

山行日 1992年7月25日~26日
メンバー (L)別当、植村、吉江

 滝沢第3スラブは、滝沢下部、第3スラブ、ドーム壁から成り、オキの耳へ突き上げる標高差約1,000mのロングルートである。
 取付へは、南稜テラスを経由し本谷を下降するが、浮石が多くすベりやすいため時間を食ってしまう。
 滝沢下部は3ピッチと短く、アブミで快適に登る。
 第3スラブは傾斜はゆるく簡単だが、残置ピトンがほとんどなく、またところどころ濡れているピッチがあるため、緊張させられる。特に悪かったのはF3、F6で、濡れたF3は残置のフィックスロープを使い、F6は左端のぬるぬるのゴルジュ状を登ったが、スラブ中央にもルートがありこちらを行く方がいいように思う。
 第3スラブは12ピッチ程あり、いいかげん嫌気がさした頃、やっとスラブが終わり右側のリッジのコルに出る。この時点で既に6時半を過ぎており急いで草付を登るが、とうとう草付のまん中で日が暮れてしまい、小さなテラスでビバークとなる。3人共疲れているせいか食事も摂らずに座ったままツェルトをかぶる。
 翌日もいい天気となり、ダラダラと残りの草付、ドーム壁を登り、11時半国境稜線へ抜け集合地点の肩ノ小屋へ急ぐ。
 今回は最初からワンビバークの予定で行ったが、全体を通してまともなテラスがほとんどなく、また2日目の天気のことを考えれば1日で抜けきるようにするべきである。


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