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女峰山
福間 孝子

山行日 1992年11月14日~15日
メンバー (L)福間、澁谷、安斎

 浅草を早朝の快速にのり東武日光着。駅からタクシーで霧降高原ヘ。紅葉はすでに遅しという感しである。霧降の駐車場で身じたくを整えている間、回りにいた登山者たちがいつのまにか見えなくなってしまった。取付のリフト入口はゲートがおりていて入れない。車道ぞいに行けばどこか入り口があるのではとしばらく歩くがそれらしきものはない。まいったな。このまま尾根に取り付くのも時間がかかりそうだからと、また出発地点にUターン。ゲートの柵を脇から入り込んで少し登ると登山道標識。Uターンした所からヤブこいだ方が早かったネ、などと言いつつ何やら頼りない出発となった。1時間ほどで霧降平、ベンチがあって休憩。ここからは日光市街が眼下にひらけ、のんびりハイクならばここでお弁当を広げたいところ。ゆっくりはしていられない。まずは赤薙を目ざす。鹿よけの鉄線ぞいにぐんぐん登る。天気がよくてたすかる。樹林帯に入ってからもけっこう急な登り道だ。細い尾根を越えたり随分歩いたようだがなかなか赤薙に着かない。荷物が大きいせいだろうか?。何組かのパーティーに会ったがみんなザックが小さい。なぜか私達だけ大きなザック。「どこまで行くんですか」と聞かれてさすがに「明日は下りです」とは言いづらい状況だ。「ボクたちグルメ山行なんです」とすかさず安斎氏が答えていたが、食当の安斎さん、本当なんでしょうね?
 さすが11月も半ばになると日陰の部分には雪があり、少々歩きづらかったけれど、女峰に近く高度が上ると、稜線はまったくの雪道となる。アイゼンは用心のため持ってきたがつける程でもない。これがかえって歩きづらい。やっと女峰の社が見えてきた。山頂で記念写真をとり360度のパノラマといきたかったが雲が少しづつおりてきて遠くまではよく見えない。早々に小屋目指して下る。小屋まではザラ場の急坂だ。小屋は思っていたより立派で、私達は二階に陣取る。水場は10分ほど下った所だが、暗くなるしけっこう帰りの登りがつらい。小屋の一階の20名程の人達は食事を終えると6時にはもう寝ている。私達はここから盛り上ろうとしているのに。皆さん明日はどこまで行くのだろうか。元気のいい大人達だ。起きているのは二階の私達若者グルーブ二つだけ。ちょっと下の人達に気をつかいながら出したお酒が3人各々日本酒五合、ウーム重たかったのはこれだったのか、安斎さんの歌を聞きながら大いに盛り上ったのでした。
 翌日は下りだけという事でのんびりと小屋を一番最後に出発。男体山や昨日の赤薙の尾根がすばらしい。樹林帯から笹原、笹原から樹林帯とめまぐるしく林層が変わるすがすがしく明るい尾根。木立の中からひょっこり竜ヶ馬場に出た時は思わずワーッと歓声をあげてしまった。広い広い笹原にお日様と風がそよぎ、急に違う世界にとび出してしまったようだ。ここで1時間でも2時間でも昼寝ができたらなあ。しばしの休憩の後重い腰をあげたのでした。椎児ヶ墓を過ぎ行者堂に着いたのは午後1時頃、まだわずかばかり残る紅棄と観光客をぬって日光駅へ。駅前の食堂で名物の湯葉の定食を食べおつかれさんのビールを飲んだのでした。晩秋の日光の山、なかなか楽しい山行でした。これから後に起った事はここには書けません。


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