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アイスクライミング・八ヶ岳
吉江 信也

山行日 1993年2月6日~7日
メンバー (L)荒川、飯塚、朝岡、吉江

 当初は奥秩父の東沢乙女の沢で氷瀑訓練を行う予定であったが、もうすでに大滝が雪で埋まってしまい登れないとのことなので、予定を変更していつもの八ヶ岳に行くことにする。美濃戸口のバス停から歩いて5分ほどの所から柳沢の支流に80~90度で10mほどのツララ状の氷柱と、そこから右10mの所に60~80度で10mぐらいの氷柱があるのが見え、6日はそこで練習することにする。
 天気は良く、春のような陽気である。80~90度の氷柱をリードするにはまだまだ力不足で恐ろしいので、60~80度の氷柱を登ることにする。支点作りやセルフビレイ、プロテクションの取り方、トップ、セカンドの確保といった一連のロープワークをひととおり練習しながら,最先鋭なアックスを両手に持ち快適に登る。そして氷柱の上からトラバースして、80~90度の氷柱にトップロープをセットして、垂直壁に挑戦してみた。垂直部分では、アイゼンをしっかり蹴り込んで効かせながら、両手のアックス類もきれいな弧を描くように意識し、打ち込む瞬間に手首を効かせ、そしてまっすぐにピックを刺さなければ効かないので、かなり手強かった。ぐずぐずしているとすぐに前腕が張ってきて力尽きる。徴妙なバランスと、非常に強い筋力と維持力がなければリードすることは不可能だ。また、垂直部でアイスピトンを打ち込む練習として、一つのバイルに全体重を乗せて、両手を自由にする練習も行った。ハーネスにつけたフィフィをバイルに引っ掛けて両手を自由にしてピトンを打ち込んだりねじ込んだりするのであるが、トップロープだからできるのであって、リード中なら本当に恐ろしいと思われた。
 腕が張って、もう練習できなくなるまで登りこみ、最後にユマーリングの練習も行った。垂直壁でのユマーリングもかなりの腕力が必要であり、20mも登れば疲れてしまった。
 3時頃に練習をやめて、いつものように宴会を行った。
 7日は朝から雨が降っており、もみの湯へ直行した。


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