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青岩谷
佐藤 明

山行日 1993年4月18日
メンバー (L)佐藤(明)、江村(皦)、田代、井上(雅)、吉野、小林(健)

 後山川青岩谷は東京都の最高峰雲取山に西面(山梨県側)よりつきあげる沢である。交通の便の悪さに加え遡行自身もそう興味深くはないため、登山者には半分忘れられた存在である。しかし、奥多摩の岩魚の生息する数少ない谷の一つとして、この青岩谷は釣人の間では古くから有名であった。このため仕事道というより、釣師のかよい道がしっかり出来ており、平水位であれば長靴での遡行も困難ではないだろう。なぜこんな谷へわざわざ来たのだろうか?
 4月17日夕方、先発の江村さん、田代さんと共に集合場所の青梅線川井駅ヘ。なんとここは無人駅なのだ。遠路千葉県木更津より140円切符を握りしめたまま3時間も電車にゆられた吉野さんは、駅の出口で精算が出来なく非常に残念そうであった。(本当かな?)
 7時半全員が集合し、後山林道終点へ9時半到着。テントを張りしばし宴会となるが、なぜか魚釣りの話題に終始し山の話はさっぱり出てこない。今度は海釣り例会でも企画するといいのかな。
 翌朝8時前に出発し、1時間半程で青岩鐘乳洞入口ヘ。青岩谷出合からここへは三条の湯を経由した道しかなく、ちょうど三角形の二辺をたどるようになる。そのため特間的にも30分位のロスになる。雲取山への登路としてもこの道しかないため、登山者は必ず三条の湯の前を通らざるを得ない。ここは商魂見えみえの登山道設定なのだ。
 さて、青岩鐘乳洞の少し先より青岩谷へおり立つ。本来なら青岩谷出合よりずっと沢の中を遡行してきても良いのだが、途中の青岩大滝で大高捲きをしなければならないため、靴の濡れない登山道を選んで来たのだった。ここからも運動グツのまま沢沿いに進むこと小1時間でなんとワサビの自生地があるのではないか。(もっともそのつもりできたのだが・・・)しばしここでワサビ採り等をしていると登山者が一人現われる。こんなところで珍しいと目をこらすとナント高級割烹もみぢのオーナー小林健二さんである。なんでも朝4時に店を閉め、荻窪から単車をとばして来たとの事。わざわざ参加してくれてありがとう。彼も店の突き出し用材料を多少収集し、行動を共にする。でもワサビはまだ花も咲いていなく、1ヶ月位時期が早すぎたようです。皆さん残念でした。
 この自生地より机沢を登り、登山道まで約1時間。さらに三条ダルミを経由して残雪の道を雲取山山頂へ。ここには新しい避難小屋が完成しており、15人位なら快適に宿泊も出来そうだ。
 しばし展望を楽しみ、午後1時下山を開始、3時青岩谷出合に置いた車に帰還。そして後山林道を戻る途中 田原会長、原口さん、播磨さん親子が車で登って来る。一の瀬高原での焼肉会の帰り我々を迎えに来てくれたとの事。またしてもありがとう。


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