トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ283号目次

北岳バットレス「ピラミッドフェース」
吉江 信也

山行日 1993年9月17日
メンバー (L)山本(信)、吉江

 6時30分に二俣の幕営地を出発する。下部岩壁に着き、準備をして8時頃から登攀を開始する。1ピッチ目を山本氏がリードし、つるべでリードをする。2、3ピッチ目でルートを見失ったが、すぐに合流する。小雨がパラついたり、先行パーティーのため途中1時間以上も待たされたりもしたが、登攀自体は快適であった。
 悲劇は8ピッチ目で起こった。このルートの核心部だ。両手を万歳の形で草付をつかみ一気に体を引き付けると目の前すぐの所に大きな大きなキジが現れるのである。上手く避けたつもりであったが、テラスに着きピッチを切ってビックリ。臭い物が膝に付いてるんですよ。臭せ-。先行パーティーのラストの人も言っていた。「僕なんか、なぜか肩に付いてますよ」く、臭さそ-。
 第四尾根に出て荒川パーティーと合流。午後2時ごろ、「白い岩」のクラック手前で雨が本降りになり、懸垂下降で第四尾根を下山する。悪夢のような一日だった。


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ283号目次