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巳ノ戸谷
菅原 康之

山行日 1993年8月15日
メンバー (L)菅原、田代、豊嶋、今村

 8月15日の日曜日だけ例会山行が抜けていた。これはおそらくお盆休みの為個人山行で遠出する計画をしているのではないかと思う。しかし私はこの時期会社は休みではないので皆様のことをうらやましく思いつつ(実は6月から7月にかけて海外登山の為25日間会社を休み、また7月の下句に9日間の夏休みもあったのだ)、お盆の時期なので遠出は避けて、近場の奥多摩は日原川の支流巳ノ戸谷を、前夜発日掃りで企画しました。
 8月14日、府中本町駅にて田代氏と未入会の豊嶋氏(のちに入会した)にわが愛車デリカ号に同乗していただき、一路奥多摩を目指す。途中で食料やアルコール等を仕入れ青梅街道より日原へと続く真暗い山道を、今村さんが待つ八丁橋へと急ぐ。灰かに明るい車に近よると今村さんが車内でチビリチビリとやっており、我々も早々にテントを張り宴会を姶める。今回初めて参加した豊嶋氏は山登りをしたことがないとの事、それがいきなり沢登りに参加し、またこの山行によって入会の判断をしているので肩の荷が重い。
 8月15日、朝キジで目が覚め、表にでてみるがいまにも泣きそうな空で少々ガッカリする。と言うのは、マッキンリーから掃ってきたら暑い日差しの中ジャブジャブと沢登りをするぞと思っていたからだ。でも今年の夏は冷夏みたいである。
 6時30分位に八丁橋を出発する。橋より河原を望むと大型テントでキャンピングを楽しんでいて今まさにキャンピングブームなんだと感じる。
 林道をのんびりと20分位進むと左側にウッカリすると見落してしまいそうな踏跡が見えるのでこれを利用して日原川の川床へと下りて、少々上流に向うと右岸より巳ノ戸谷が現われる。今村さんはここよりまた林道に戻り登山道で鷹の巣山まで行くとの事で、己ノ戸谷出合で別れる事にした。
 水量豊富な巳ノ戸谷に入り2~3小滝を越えると15メートルの巳ノ戸大滝が行く手を阻むが左岸より高捲きで越えて、しばらく行くと忌山の滝場が現われる。ここは4~5個の滝を落とし両岸せまる悪場で巳ノ戸谷の核心部なのだ。最初の滝は左岸を登り、次の滝も左岸を登り落口にトラバースしやや高度感のある登りをして上部のヤブに入るが高く上りすぎてルートファインディングに手まどってしまい時間を少々ロスしてしまった。沢に戻りいくつかの小滝を快適に越えて進むと、五平窪が右岸より10メートルの落差で美しく落ちている。我々の行手には倒木が多くなりけっこうめんどくさいが、ゆっくりとくぐりぬけて行くとのちに河原歩きとなりワサビ田が見えるころ山道が交わる。ここで今村さんと落ち合う予定であったがメモ書きが置いてありすでに下山した後だった。天気が今一つよくないので我々も鷹ノ巣山は諦めてここより下山する事にした。
 メモ書きに下山ルートも記され非常に感謝感謝です。途中数ヶ所山道がガレていたり、ハチにつきまとわれたりしたが無事八丁橋まで戻り今村さんに出迎えていただきやっと肩の荷が下りた。

〈コースタイム〉
八丁橋(6:35) → 巳ノ戸谷出合(7:00~7:10) → 鞘口窪(9:30~9:35) → 五平窪(11:00~11:05) → ワサビ田(11:30~11:50) → 八丁橋(13:20)


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