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笛吹川ヌク沢左俣右沢
福間 孝子

山行日 1993年8月29日
メンバー (L)福間、大泉、荒川、松永、森本

 前日の台風の大暴れで首都圏の交通はズタズタ、こんな状態では沢どころではない。急遠中止にしたのですが、翌土曜はくやしいくらいのいい天気。台風一過とはまさにこのことだとばかりに太腸が照りつける。(ちなみに我がアパートは恒例の水没。)またもや急速ダメモトで行ってみましょうという大泉さんのお電話で前夜発の夜行日帰りに変更。
 タクシーで西沢渓谷まで入り、ヌク沢出合いまで林道を歩く。ヌク沢は出合いの取りつきがわかりやすいのでとても楽だ。ここから登山道が沢を横切っている所まで1時間程で楽に行けるはずなのが、いきなり水がドッカンドッカン流れていてとてもじやないけれど中に入ることができない。最初から高捲きである。この分じゃ先行きどうなる事かと心配しつつも、とにかく行けるとこまで行ってみようとヒタヒタと歩きつづける。右俣との出合で何の工事をしているのかよくわからないが、とにかく工事をしている所があり、いきなり沢の中にショベルカーがおいてある。林道工事なのかなあ。ナメ沢をいくつか越していくとだんだん滝が大きくなり最後にひかえしはとばかりに260mの大滝が現われる。縦横共に大きな滝の前で一休み。とにかくデッカイ。
 普通は中央のシャワークライミングとあるが、水流があるので右側の溝を登っていく。やはり高度感があり雄叫びをあげたくなる。ここを過ぎると沢はだんだん小さくなり、稜線にもヤブコギなしでつきあげる。下りは近丸新道を下るが途中から左へ沢へ下る道ではなくて、尾根づたいに切り開いた道の方を行ってみる。ヌク沢が増水して渡渉できずに甲武信まで登り返した経験のある人には涙ものの道ではないだろうか。まだよく踏まれていないので尻もちをつくと笹の切り口がブスリと刺さってしまいそうだが、時間もさはど変らずに東沢小屋のトイレの横にひょっこり出られる。
 帰りは塩山の温泉で一風呂浴びてさっぱりさわやかで帰ったのでした。


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