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丹沢雑感
原口 藤雄

 思えば山にふれてから40年近い年月が過ぎようとしている。それは中学生のとき、隣の牛乳配達のお兄ちゃんに自分のアルバイト代で近所の子供達と数名で高尾山に連れて行ってもらったのを思い出す。思い出の中に残っているのは茶店のオデンと小仏峠からの下りで採った柿の赤い色しか残っていない。
 高校の山岳部に入り、本格的に山に取り組んだ。当時はマナスル初登頂の登山ブームで丹沢や谷川岳は登山者の行列が出来る程であった。それも夜行日帰りで、ヘッドライトの光りが大倉尾根につながって見える。今はほとんど夜歩いている人はいない。又夏には塔ヶ岳の頂上から富士山が眺められ、光の帯が頂上までつながっている。
 丹沢のそばに居を構えて早13年、毎日の様に大山を眺め感慨深いものがある。四季折り折りに変化する姿を目にする事が出来る素晴らしさ。休日には犬を連れての近所への散歩、道祖神や馬頭観音が迎えてくれる。
 宮ヶ瀬ダムが完成する頃には大観光地として変貌を遂げるであろう。それは周辺道路が整備されつつあるからである。丹沢山に堂平から往復3時間半で行けるし、蛭ヶ岳も日帰りが可能となる。又大倉尾根を縦断する林道計画もある様でその是非は後日の判断としよう。又露天風呂も仏果山下や用木沢出合下に犬越の里として出来ている。道志村でも日帰りの温泉が作られる様になった。山への楽しみも変化しつつあるようである。


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