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三峰に入った切っ掛け
鈴木 嶽雄

 私が三峰山岳会に入ったのは、単独で南アルプスへ行った時でした。やはり単独の原口さんと、あと2人長野県の若い男女と4人で三伏峠まで一緒に登り、今日まで知らない同志、気が合って4人で一緒のテントに泊り、その夜は楽しい山の話をしながら、原口さんの美味しい食事を御馳走になりました。
 朝になりました。ところがドジな私はコッヘルをザックに入れて来るのを忘れてきました。それで原口さんにハンゴーを借りました。
 塩見岳の方へ行く3人と分かれて私は荒川岳から光岳まで縦走をしました。
 その事が有り、原口さんにハンゴーを返すため東京で会った時、三峰に入らないかと誘われて入ったのです。
 それでも山のシゴキが新聞にのる時代で内心ではシゴかれるような山岳会ならいつでも辞めようと思うような実に軟弱な私でした。
 その年の冬山合宿は、中央アルプス駒ヶ岳。初めての本格的な冬山で、きつかったけれどシゴかれる事もなく無事登らしてもらいました。その時冬山なんか私一人では登れないと思いました。おまけに野田さんに私の名前と関係の無いモンチャンと言う愛称をもらい、喜んで良いのか悪いのか三峰ではこちらの方が通りが良いみたいです。
 こんな事を書くと思うんですけれど、コッヘルを忘れたから原口さんにハンゴーを借りて三峰に入ったわけで、もし忘れなかったら山岳会など入る気持がまるで無かった私、出会いの神様は面白い事をやると思う。三峰に入り山の仲間たちと楽しい山やスキーが出来た事を思うと、山好きの私にしてくれた神様に感謝しています。


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