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夢の踏跡
小林 健二

 三峰山岳会創立六十周年おめでとうございます。
 私が会の山行に参加出来るのは、仕事の都合で年に1、2回ですが、たくさんの山仲間との出会いがありました。入会して17年、自分の夢の踏跡記録を書いてみました。
 1976年、三峰山岳会入会。3月NHK学園(高校通信教育)卒業。板前修業10年を記念して荻窪に小さな店「もみぢ」を開店。
 1979年、4月単独海外遠征(観光)。キリマンジャロ山(5895m)登頂。5月ケニア・エジプト観光旅行。6月西ヨーロッパ一周。7月モンブラン(4809m)、マッターホルン(4478m)、アイガー(3974m)単独登頂。8月インド・タイ旅行後、帰国。
 1980年、マラソンを始める。2月青梅マラソン30km初参加。12月ホノルルマラソン42.195km初参加、3時間28分で完走。以後、様々な大会に参加し、健康とチャレンジ精神が好きで、いまも走っています。
 1982年、2月富士山単独登頂。
 1983年、1月北岳単独登頂。
 1984年、1月槍ヶ岳単独登頂。
 1985年、1月アコンカグア(6950m)、長谷川恒男事務所のガイドに依り登頂。下山後、汽車とバスで40日間の観光旅行。アルゼンチン(パタゴニアの氷河、最南端の町ウシイアイア、イグアスの滝等々)・ブラジル・ボリビア(ラバスよりチチカカ湖)・ペルー(クスコ、マチュピチュの遺跡)。
 1986年、7月岩倉高校山岳部OB会に同行しマッキンリー遠征登山。クレバス拡大の為、登山許可が出ず、サンフォード山に挑戦するが条件は同じで敗退。アラスカ観光の旅をして無念の帰国。
 1988年、7・8・9月、中国大陸横断チベット・ネパールの旅。成田より香港へビザの発給を受けて、汽車で広州へ。ここから悪路をバスで約20時間も揺られ桂林に着く。川下りの観光後、汽車で上海入り、乗換えてシイアン、シイニンを経て終着駅ゴルムドに着く。ここは砂漠の中、ラサ暴動事件の最中で外国人規制を受け、香港人にバスの切符を購入してもらい、何回も検問があり、その度に香港人のふりして、ラマ教の聖地ラサにやっと着く。ラマ教のシンボル、ポタラ宮殿は白い壁に黄金の屋根、特に夕日を浴びた姿はすばらしいものがあった。一週間後ネパールとの国境の町行きのバスに乗る。バスはオンボロで床に所々穴があいている。故障はつきものでその度に運転手が修理屋となり頑張る。エンジンが焼けたらバケツで水をかける。高地の峠越えは空気が薄いせいか人が歩くより遅く、溜息がでる。本当に危険な場所は乗客は歩いた。6日後国境の町に着く。この日、私は帰国予定日であったが、この山の中どうしようもない。ネパールに入国したら道路状況は最悪で、何十ヶ所も土砂くずれ(雨期の為)で交通止め。何十kmも歩いてやっと乗合タクシーでカトマンズに着く。帰国予定日が過ぎている為、毎日航空会社へ足を運び、一週間後バンコック行きのチケット購入。バンコックにてインド航空のファーストクラス(ファーストクラスに初めて乗り、こんないい気分になったのは久しぶり)にて無事帰国。
 1989年、7・8月富士登山競争後、富士山を起点にホンダXSR250ccにて一般道で日本一周(48都道府県)完全走破。沖縄の夏はムシ暑く参った。
 1990年、5月三峰山岳会日野愛子さんと結婚、10月長女誕生。
 1991年、8月250ccバイクにて、北海道・稚内駅より一般道走り九州指宿駅まで約3000kmを約78時間にて完走(睡眠3時間余り)。九州地域では台風のド真中を走り、海岸線道路では波しぶきに強風に必死でした。
 1992年、8月上高地より日本海親不知まで縦走。1日目雨 上高地→西穂→奥穂→穂高山荘テント場。2日目雨 北穂→南岳→槍ヶ岳。3日目暴風雨の強行軍、全身ずぶぬれで風に吹かれ、危険を感じ小屋泊り。4日目晴 鷲羽岳→野口五郎岳→烏帽子。5日目晴 船渡岳→蓮華岳→針の木。6日目晴 爺ヶ岳→鹿島槍→五竜。7日目晴 唐松→白馬岳→朝日平。8日目晴 朝日岳→犬ヶ岳→親不知17時着。食糧不足の為51kgの体重が47kgとなりましたが、体は充実感でいっぱいでした。
 1993年、8月甲斐駒より光岳までの縦走を計画。1日目雨 土砂くずれの為夜叉神トンネル出口より北沢峠まで20km歩き、甲斐駒にアタック。仙丈岳手前、馬の背小屋前にテントを張る。2日目晴のち暴風雨 仙丈岳→野呂川越→北岳→北岳山荘。台風の中テントをやっと張り、頑張る。3日目 暴風雨の為テントがバラバラとなり、あえなく小屋に退散。4日目晴 間ノ岳→熊の平→塩見岳→三伏峠15時着。5日目晴 日程不足と体調不十分の為無念の下山。又いつか再度チャレンジしようと思ってます。
 1993年、9月もみぢ開店17年間の歴史上最大のハイキングブームとなり、山と酒が好きな人間が集団(15~30人)となり、奥多摩を中心に闊歩しています。これからも、より多くの人々に山の良さを布教します。10月、長男誕生。2児の父親となっても人との出会い、友達を大事にし、自分なりの夢を持ちいつまでも青春したいと思っています。


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