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六十周年によせて
堀田 正

 三峰山岳会創立六十周年おめでとうございます。
 戦中、戦後の激動する時代にも絶える事なく活躍を続けて創立六十年の輝かしい会の歴史を築いた創立会員の宮坂さん、歴代の会長、委員長、会の中核として活動されてきた皆さんの感慨は格別の思いがある事でしょう。その活動に敬意を表します。
 私が初めて山に登ったのは昭和14年の春、桜が満開の武州御岳山です。山頂から鳩ノ巣に下りそこから新緑が映える秀麗な渓谷に沿って青梅街道を御岳駅まで歩いたのが初めての山行です。その頃の街道筋は民家も疎らで行き交う人も自動車も少なくて長閑なものでした。(当時は御岳駅が終点でそれから先は鉄道が無かった。)
 それから五十余年、私も既に高年者世代の一人になりました。なかなか思う様な登山ができませんが、昨今は林道がよく整備されていて交通事情も著しく発達していますから、南アルプス、北アルプスや上信越の山も容易に登山が出来るようになり、展望と雲表漫歩を楽しんでいます。これらの山は季候に制約があり冬山は厳しく私はもう登れませんが、南ア前衛の山、秩父、丹沢山塊、奥多摩の山、奥武蔵の山を季節を問わず歩いています。登山は風景との出会いでもあります。四季折々に自然が織り成す美しい風景、荒涼たる岩稜に咲く可憐な花、高山植物などを写真に撮るのを楽しみに山を歩いています。見た人に感動が伝わるような作品をいつか撮りたいと、カメラを持って歩いている今日この頃です。


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