トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ284号目次

「白い世界」が教えてくれたこと
鈴木 章子

 LPから始まる「白い雪、青い空、黒い岩」だけの、夜のない世界。
 3週間居て、私の目に映ったのはこれだけです。わずかに有る有彩色と言えば、「テント」、生物は「登山者」のみ。
 私は、好きではないなこの世界。やはり、春夏秋冬と、プラスαの有る日本の山が大好きです。それを教えてくれたのが、「マッキンリー」です。だからと言って、もう行かないという訳ではありません。これを機会に、日本の山の良さを知るためにも、どんどん白い世界へ出掛けようと思っています。
 今だから言ってしまうけれど、この話、あまり乗り気ではなかったのです。体調も悪かったし(下山時には回復していましたが)。日本を出るのが、イヤでイヤでたまらなかった。成田からジャンボに乗った時、大切な物を忘れてきたようで。でもアンカレッジに着いた時点で、全てを諦めましたが。
 今でも、何で「マッキンリー」に行ったのか分からない。たいして行きたくもなかったし、「行きたい!」と言った記憶もない。でも「女性一人(飯塚さん)」が可愛想で、見るだけでも価値が有るのでは・・・・・・。
 なぜかはっきりしない気持ちのまま参加した。最初からピークは無理だった。でも、行ける所までは。
 ABCから見上げる「ヘッド・ウォール」、その上に「稜線」、稜線の裏側が見たくて連れていってもらった。それからの私は、ACまで迷惑のかけっぱなしだったけれど。
 私の目的は、達成出来たと思う。そして、この山域は「時間と、天気と、体力(?)」が有れば、誰でも行けるって事。もう少し私の体力が回復したら、充分時間を作って、もう一度行きたいと思っている。「ガイド付」でもいいから。何時か分からないけれど。他にも、私が行く事が出来る「白い世界」が有れば、どんどん行こうと思っている。
 でも「白い世界」に居ながらも、毎日が発見でした。
 「白夜」と言っても、夜間は少し暗くなる。(本が読めない程度)
 「マッキンリー」の雪が、とてもとても青い事。アラスカに、夏が有るって事。
 私が、本当に「チビ」だって事。
 新雪が降ると、その分だけトイレが低くなる。うれしかったとても。
 レンジャーの「ケビン」、素敵だったの。陽子ちゃんと二人で、うっとり等・・・・・・。
 でも、この世界を見せてくれた人々に、多少の文句も言いたい。「小さな世界、小さな心で生きて行く事も、結構魅力が有るものだ」と。
 最近思っていたものを、大きな山「マッキンリー」を知ったために、私はまた、夢追虫になってしまいましたヨ。
 私の夢は、まだまだふくらみそうです。「夢」は、実現するための一歩だと思っています。そして、わずかな勇気と、行動と、チャンスです。(私の欠点は、行動してしまう事ですが。)
 私を、マッキンリーに、誘って下さってありがとう。
 そして私たちに、チャンスを与えてくれた会員の皆様、ありがとうございました。

追記
 「壮行会」でもらった「ケロッピー」のタオル、私のだけ?なぜか?雑巾になって捨てられました。大切に大切に使っていたのですよ。クシュン!ゴメンナサイ!!


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ284号目次