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石尾根から三峰神社縦走
井上 雅春

山行日 1993年10月9日~10日
メンバー (L)服部、大久保、井上(雅)、澁谷、坂本、笠原

奥多摩には何度も足を運んだが、日帰りばかりで、今回縦走の好機であったので、参加することにした。
 10月9日AM10時奥多摩駅集合。駅前の酒屋で調達をすませ出発。すぐに水をくんでくるのを忘れた事に気がつく。鷹ノ巣山まで水場はないのでどうしようかと思っていたところ、坂を登り始めすぐに脇から水がでていた。某氏が「これはわざわざひいてあるので飲めるよ」と断言するので、不安に思いながらも水筒を出して汲み始めると、丁度向かいの民家からおばさんが出てきて「それは飲めないわよ」と教えてくれ親切にも自宅の水道に案内してくれた。やはり危ないと思ったら手を出さないのが賢明である。そのまま車道を行き、神社からは裏手の尾根道に入るが、途中土木工事をしていて、大きなジャリが積んである上を行く。再び車道に出て登山道入口でとりあえず一本。このところこの界隈で熊が出没しているので、入口に新しく熊に注意の看板が立ててある。奥多摩で熊と遭遇できればラッキーだなどと思ったものの、すぐ後から登って来た人が腰に缶カラをつけて音を鳴らしながら登って行くのを見ると、ふと不安になる。内心自分も何か音の出るものはないかと考えたが、周囲では誰もそんなことをする様子はなく、口に出すのも恥かしいのであきらめて登り始める。しばらくは急な登りであったが、最初のピークに着く頃には先程の熊への恐怖心などすっかり忘れ、天気も良いので楽しんで登る。六ッ石山頂でのんびり休憩。視界の開けた道を御前山・三頭山・奥に丹沢とゆっくり見ながら進む。特に今回は新人女性2名がいるせいか、服部Lもスローペースで助かる。水根山の分岐から鷹ノ巣山頂へと思ったが、皆早い方が良いので捲き道を行くとあっけなく避難小屋に到着。「なあーんだこんなに近いのなら山頂へ行けばよかった」と皆口にするものの、引返し登る人はいなかった。避難小屋は先行の3人パーティーがいたので、テントの方が暖かいし遠慮もいらないと幕を張る。夜はいつもの通り、メニューは何だかもう忘れてしまったが、酒も進みとにかくおいしかった。何故か今回O氏はいつもより楽しそうに見えた。星のきれいな夜だった。
 翌朝7時半に出発、今日もまたまた天気は良い。七ッ石山からは急に下り雲取への上りは、10月だというのに日射しも強くかなり汗をかいて登る。雲取山頂は連休のせいか、登山客で賑わっている。今日の行程はちょっと長いが、ここまで来ればあとは下りなので、ゆっくりと一本とって記念撮影、景色を楽しむ。下り始めすぐに山荘に着き名物小屋をのんびり見物して下る。午後になっても明日も休みの為か、かなりの人が登ってくる。お経平(お清平)から最後の上りを過ぎるとあとひと息、せっかくきたのだから三峰奥宮へ行こうかと思ってはみたが、どうも登り口を過ぎてしまったらしいので、やめて猿の群を拝む。まだ明るいうちに駐車場に到着。皆もう来ていてあわよくば食い物にありつけるかと思ったが、着いていたのは広瀬夫妻と勝部氏だけであった。とりあえず車を借り下まで買出しに行き、一番奥に幕を張り飲みはじめる。そのうち少しずつ増え、気がつけばかなり集まっていて盛り上る。神社のパトカーがやってきてこれはまずいかなと思ったが、意外にも寛容で大して文句も言われずに済んだ。
 翌朝はさっさと朝食をたべる人は食べて参拝へ神殿に向う。お祓は思った程長くはなかったが、これだけの大人数で5千円とは皆単価を計算すると安いからなと納得。昼の宴会が催されるが、縦走パーティーは疲れたので菅原氏に駅まで送って頂き帰る。
 天候に恵まれ、楽しい縦走でした。

〈コースタイム〉
9日(土) 奥多摩駅(10:00) → 石尾根登山道入口(10:50~11:00) → 950m(11:55~12:15) → 三ノ木戸山捲道通過(12:45) → 1210m(13:10~13:30) → 六ッ石山(14:00~14:15) → 榧ノ木尾根分岐(15:15~15:35) → 鷹ノ巣避難小屋(16:00)
10日(日) 鷹ノ巣避難小屋(7:30) → 七ッ石山(8:40~8:55) → 1820m(9:40~9:50) → 雲取山(10:25~11:15) → 雲取山荘(11:25~11:40) → 芋ノ木ドッケ(12:30~12:40) → 白岩小屋(13:00~13:15) → お経平(14:05~14:25) → 二股檜(猿の群)(15:20~15:35) → 三峰神社大駐車場(16:00)

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