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大沢山
水田 洋

山行日 1994年2月20日
メンバー (L)福間、今村、水田

 『陽だまりハイク』・・・・なんと心地好い響きだろう。私はずっと東京近郊の、だけど人のいない、しかし展望が良い、実は◎コースのスノーハイクに憧れていた。だから、三峰の門を叩いたその日から一も二もなく行くと言ってしまったのである。
 なぜ『陽だまりハイク』にこだわっていたのか。昨年4月に東京に転勤してくるまでの札幌在住の3年間、かの地でも一応、山をやっていたのだが、北海道に『スノーハイク』という言葉は存在しない。札幌の裏山『手稲山』(標高1000mちょっと)は日帰り山スキーのゲレンデと化し、『藻岩山』(標高500m台)はハイキングの対象となりうるが、冬の札幌に陽だまりなぞあるわけナイッショなのだ。
 札幌にいくまえの東京STUDENT-LIFEでも山をかじっていたが、冬場、仲間は軟弱なゲレンデスキーにいそしみ、たとえ山にいったとしても、半分飾り物のピッケルとアイゼンを手放さなかったのである。
 2月20日(日)PM5:00ちょっと前、私は福間さん、今村さんとともに笹子近辺で美酒に酔いしれていた。大沢山から清八峠を回るコースを予定通り歩いた満足感が3人の共通した認識であった。天気予報はメデタクもハズレて展望もバッチグー、登り下りとも北斜面の尾根だったので前の連休のドカ雪が豊富に残り、夢にまで見たスノーハイクを存分に楽しんだのである。ただ、久し振りの山行だったので少々フラフラしてしまったのと、ザックに差したピッケルが枝をことごとく弾き、今村さんの顔面を直撃したのは申し訳なかったです。
 この山行で印象的だったのは、PM5:00までに笹一に辿り着くんだ(酒を飲むんだ)というお二方の執念でした。だから下りは結構気合いが入っていた。ただ、この執念が実は三峰のカラーであることを私が身を以って理解するのは、次回の四阿屋山スキーを待たなければならなかったのである。


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