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赤谷川本谷
笠原 祐子

山行日 1994年7月30日~31日
メンバー (L)山本(信)、田代、朝岡、小幡、福間、飯塚、澁谷、笠原

 7月29日(金)
 上野22:51発で沼田に向かう。駅で翌朝5時まで仮眠。

 7月30日(土)
 タクシーで川古温泉の奥の林道に入るが、期待したゲートは閉まっており、少し行ったところでタクシーを降りる。朝食後出発準備にとりかかるが、雨もポツポツ降り出し寝不足も重なって、皆なかなか腰を上げようとしない。
 赤谷川に沿った林道を歩きだす。眼下に見える沢は水不足のせいか大分水量が少ない。2時間程で徒渉点に着く。まずは巨岩地帯が続く。他の方は難なく通過していくが、私だけは登れない。最初からロープでひっぱり上げてもらう。今回で沢は2回めで某氏による「絶対にアゴを出す。」という言葉が頭をかすめる。どうか問題児になりません様に。
 巨岩をあきる程歩き、スベリ台も充分堪能した後裏越のセンへ。大きな釜で泳ぎを楽しんだ後、ルンゼに取付き高捲く。足元が滑り易く、結構斜度もきつい。ムンムンと蒸し暑いヤブからはい出すと、思わず沢に飛込んでしまった。しばらく歩くとドウドウセンの高捲きだ。毎度の事ながらバッチリとルートに戻る高捲きには驚いてしまう。稜線まで上がった後下降する。つかまる木も無く滑り易いのでザイルをつけてもらった。河原は広く平らで、ガイドブック通り絶好の幕場だ。朝岡氏による星座解説に夜はふけていった。

 7月31日(日)
 今日もどんよりとした曇り。しばらくは平凡な河原歩きだが、まわりの草原が美しい。「まるで天国の様なところ!」と聞いていたが「まさに!」返す返すふり返ってはボーと風景に見とれる。
 ゴルジュ帯を過ぎると、ガスがたちこめ幽玄な雰囲気だ。なんと雪渓に谷がおおわれている。とても明日から8月とは思えない。ザイルをつけて不安定な所を捲いた後、恐る恐る雪渓の上を歩く。その後どしゃぶりの雨に降られた後、源流部に着く。熊笹をこいでオジカ沢ノ頭に出た。
 沢を遡行中は1パーティーしか会わず、静かに美しい景色を堪能しながら歩いた。しかし、稜線に出たとたん人に行きかう。特に谷川山頂、天神尾根にかけての盛況ぶりに驚いてしまった。
 下山はあまりのババっちさに飛びのくハイカーを追いこし、芳香を放ちながらかけ下りて行った。

〈コースタイム〉
30日 川古温泉(6:30) → 林道二俣(7:05) → 徒渉点(8:30) → 裏越ノセン(12:15) → 幕場(15:30)
31日 幕場(6:40) → 稜線オジカ沢避難小屋(11:55) → 天神平リフト乗場(15:00)

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