山行日 1994年6月25日~26日
メンバー (L)田代、谷川、水田、笠原
6月25日 午前9時、立川駅集合。今一、パッとしない天気を気にしながら車に乗り込み、野反湖に向け出発。水田氏は早くも連日の激務か夜遊びがたたってか?熟睡体勢を決め込んでいる。途中、雨足が強くなり、誰からともなく温泉でも浸かって帰ろうか!?などと言っていたが、しっかりと酒を仕入れて野反湖に着いたのは、午後1時だった。
野反峠の売店で状況を聞くが、カモシカ平より先はここ数年刈られてなく、やぶで踏み跡もないとのこと。ある程度のやぶは覚悟していたが、全く踏み跡がないとは、思わなかった。白砂山に変更するかという声もあったが結局、今日はカモシカ平まで行って様子を見ることにした。
午後2時、小雨の中、野反峠を後にする。高沢山までは、野反湖周辺のハイキングコースになっているので道もしっかりしている。高沢山よりカモシカ平へ下り始めてすぐ、左手の笹原がガサガサと大きく揺れだし、巨大な物体が今にも飛び出しそうな気配に、水田氏と顔を見合わせ、思わず逃げてしまった。(二人とも熊だと思い込んでしまった)谷川氏と笠原嬢は何も気づかなかったらしく、戻って来た我々を怪訝そうな顔で「こんな所に熊なんかいるんですか~?」と言い残して、スタスタと先に行ってしまった。やはり新聞記者ともなると、真実追究の為には命をも惜しまないらしい。(あんたはエライ!)結局、その後は何も起きなかった。あれは一体なんだったのだろう?
気を取り直して(二人は、熊の気配を気にしながら)カモシカ平まで下った。これより先は踏み跡も薄く、さっきの騒ぎでドッと疲れたので、水場の近くに天幕を張った。さすがにこんな所で幕営する物好きは我々だけだった。カモシカ平周辺は一面の笹原になっており、さしずめ「大草原の小さな家」ふうになってしまった。
6月26日 快晴、今日は暑くなりそうだ。午前7時、谷川氏を先頭にうっすらとついている踏み跡を頼りに、昨日の雨でぬれた熊笹をかき分けながら進むが、5分もしないうちにずぶぬれになってしまった。倒木が多くなるにつれ、踏み跡も完全に消え、やぶが濃くなってきた。1965メートル峰直下付近の倒木に這い上がり、やっと大高山と天狗池が見えた。あい変わらず倒木とやぶが続いている。
このまま行っても、今回のメンバーでは本格的なやぶこぎ経験者がいないのと、帰りの時間が予測できないためここで諦めることにした。撤退と決ると帰りは早い! カモシカ平まで戻り干してあったテントを撤収して、野反峠に11時に着いてしまった。そのまま、尻焼温泉にて汗を流し、帰路についた。