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集中山行 上州武尊山
その2 川場谷 沢登り
福間 孝子

山行日 1994年10月10日~11日
メンバー (L)福間、飯塚、笠原、大久保、荒川、高木、豊嶋、大泉、別当

 高崎駅でステーションビバークの後始発で沼田駅へ到着。桐の木平キャンプ場までタクシー2台で乗り入れたが、1台が場所を間違えていきなり不安なスタート。天気もなんとかもちそうで今日は余裕のペースで1時頃には着けそうだな。遊ばなければ沢じゃない!をモットーに、滑のすべり台で遊ぶ遊ぶ。ただO氏だけは水を忌み嫌うがごとくこの時も又この後も決して自ら濡れようとはしなかった。しかしこの日、自分の意志とは関係なく彼が水の中にはまったことを思うとそれもまた空しい努力でしかなかった。
 2時間も歩かないうちに奈良から集中してきた大泉、別当に追い付かれてしまう。たしか今朝東京を出発してきたはずなのに。私達の高崎駅の夜はいったいなんだったんだろう。
 獅子の廊下の暗いゴルジュをぬけて、やっと桧の大穴に出た。コースタイムだと2時間位で着くはずなのに、もう結構な時間を費やしている。一抹の不安がよぎる。それにしてもあの"うなぎの寝床"とよばれるところはどこだったのだろう。今考えてもどうもわからない。
 ここからは小滝の連続で左岸から剣ヶ峰沢を迎え、明るく所々にきれいなナメを持つこの沢はとても気持ちがいい。夏の水遊びにピッタリの沢とみた。(上の薮漕ぎさえなければ・・・)核心部と呼ばれるところを抜けたのは確認できたのだが、そのさきがどうも今一つはっきりしない。左岸からの家の串下の沢と上の沢を越えたところで幕をはることにしていたのだが、行けども行けどもでてこない。結局笹やぶをなぎ倒してテント3張りをどうにか張る。まともな体勢でねられたのは1人もいなかったようだ。
 翌日は1時間程の詰めで稜線に出られるはずなのが、3時間もかかってしまう。大泉、別当の先頭部隊に従って久々に薮を漕ぎまくる。昨日の美しい思い出が黒いジャージと共にドロドロに汚れてしまう。ドーシテ、ドーシテこうなるの。と嘆いているうちにようやく登山道にでる。やっと平らなところで大休止をとっていると見透かしたかのように"モートー"のコール。あまりのタイミングのよさに大爆笑。たぐりよせられるように山頂に着いて会長、小林さんと合流。荒砥沢隊も風のように現れて男の意地を見せられたようなきがした。


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