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集中山行 上州武尊山
その3 塗川・荒砥沢
田代 昭夫

山行日 1994年9月11日
メンバー (L)田代、菅原、野田、箭内、水田

 9月10日、立川駅を午後9時に出発し、武尊スキー場に着いたのは、午前0時前だった。明日の集合時間を考えると、スキー場からの林道まで入りたいが、スキー場より先は、牧場になっていてゲートが閉まっていた。林道に通じる道を探してしばらくウロウロするが、どうやら、牧場の中を通って行くらしい。ゲートを開けて牧場を抜けるとすぐ林道に出た。今日はもう遅いので、林道脇に天幕を張り、一杯やって早々にシュラフにもぐり込む。
 9月11日、牛の鳴き声で目が覚める。昨夜からの雨は上っているが、空はどんよりとしている。車の回収を考え、入渓点より手前の林道二俣まで車で入る。7時、林道を歩きながら交信するが、うまく取れなかった。荒砥沢出合に着いて、一同ア然とする。何と水が全くないのである。あらためて今年の水不足を実感する。遡行を始めて30分位は、やっぱり水がなく、先が思いやられる。
 最初の10メートル滝付近よりやっと沢登りらしくなってきた。さっきまでの状況がウソのようである。この滝は小さいながらも、釜を持っており、箭内氏がさっきまでのうっぷん晴らしとばかりに、さっそく飛込むが、生憎の天気で、後に続く者は誰もいなかった。この後、4~5メートルの小滝が続くが全て小さいながらも釜を持っており、結局、全員泳がされるはめになった。
 9時、1670メートル付近の二俣にて交信するが、シーバーの調子が悪く、交信できない。この後、一度も交信出来なかった。核心部とも言える、15メートル滝を過ぎると水流が細くなり、1時間位で源頭の笹やぶに出た。やぶこぎは、30分位で家の串の鞍部に出た。11時の集合時間には間に合いそうもないが、一本取り先を急ぐ。
 11時、中ノ岳で交信するがやっぱりダメだった。MOTOコールをしながら先を急ぐ。ピークが近づくにつれ、コールが聞こえて来た。11時25分、武尊山頂、ダメかと思っていたが皆に合流でき、ホッとしたのもつかの間、会長よりさっそく一杯廻って来た。とりあえず全員で記念撮影をして、会長、福間パーティーと別れ、我々は昼食を済ませてから武尊スキー場に下山する。
 武尊スキー場は、前武尊直下までゲレンデが延びており、林道までゲレンデの斜面を歩くはめになった。雪のないゲレンデはただの荒地と化しており、歩きづらいといったらなかった。今回の山行で一番疲れたような気がする。14時頃、無事車を回収して、いつものように風呂→酒→メシのコースを経て帰途につく。


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