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平成七年正月合宿 槍ヶ岳・北八ヶ岳
その1 総括
服部 寛之

計画
 今年の正月合宿は当初、槍ヶ岳を3パーティーによる集中形式で登る方向で計画を進めていた。予定していたパーティーは次の通りであった。
 (A)槍平から大喰岳西尾根を登って槍ヶ岳へ至るベース隊
 (B)槍平から南岳西尾根を登り稜線伝いに槍ヶ岳へ至る南岳隊
 (C)槍ヶ岳の北鎌尾根を登る北鎌隊
そして下山は、出来ることならば、槍平のベース隊に他の2隊が合流して新穂高温泉へ下りようと考えていた。
 準備として、北鎌尾根の偵察を9月23日~26日に行い(メンバー=福間、飯塚、小堀)、雪訓を11月26日~27日に富士山で、さらに12月10日~11日に谷川岳西黒尾根で行った。
 ところが、各パーティーの募集に応じてきたメンバーを最終的に検討したところ、BとCはすんなりと決まったものの、Aはパーティーとしては力量不足であろうということとなり、12月15日の委員会で急遽Aパーティーの目標を北八ヶ岳に変更することにした。その結果、今年の正月合宿は次のように3パーティーを二つの山域に分けて出すこととなった。(日程は予備日を含む)
 (1)槍ヶ岳・南岳隊 4名(L)金子 12月30日~1月3日
   ルート=上記の通り
 (2)槍ヶ岳・北鎌隊 4名(L)山本(信) 12月30日~1月4日
   ルート=上記の通り
 (3)北八ヶ岳縦走隊 5名(L)服部 12月30日~1月2日
   ルート=横岳ロープウェイ山頂駅から稜線を縦走して夏沢峠から本沢温泉を経て
   稲子湯へ下りる

山行と結果
 槍ヶ岳の2隊は予定どおりそれぞれ29日の夜行で東京を発った。南岳隊は30日は槍平小屋横で幕、31日は南岳稜線の小屋に入った。北鎌隊は30日は仙天出合い手前の河原で幕、31日は稜線上での天候悪化を懸念してP2で幕営した。翌元日は悪天候に見舞われ、両隊とも停滞となった。
 一方、これら2隊とは別に、もみぢの小林(健)さんが今年もまた単独で入山していた。30日東京を発ち、上高地から横尾尾根に取りつき、31日、1日は天狗原で幕営した。
 翌2日はよく晴れ、南岳隊は稜線を北上し槍ヶ岳に登頂、肩ノ小屋に下りてきたところでこれから槍穂に登る小林さんに遇った。南岳隊は一足先に槍平に下り幕営、後から下りてきた小林さんと合流した。北鎌隊は独標を越えP13とP14のコルまで登り幕を張った。
 3日、南岳隊と小林さんは共に新穂高温泉に下山、高山を経て名古屋で新幹線に乗り継ぎ帰京した。北鎌隊は槍ヶ岳登頂ののち新穂高温泉に下山、そこに一泊して翌4日帰京した。
 一方、北八隊は30日の朝東京を出発、その日は快晴の稜線散歩を楽しみ白駒池で幕営した。翌日は降雪で、天狗岳~根石岳などコースのハイライト部分では強風の吹雪に見舞われ冬山らしさを味わい本沢温泉でやれやれの幕営、野天風呂と内湯で正月の休暇気分を盛り上げた。翌元日は快晴のなか稲子湯までの林間スノーハイクを楽しみ、一風呂浴びて松原湖駅に出て帰京した。
 期間中低気圧の通過で留守を預かる大久保委員長は特に槍ヶ岳の2隊を心配したようだったが、しかし両隊とも無事目標とした槍の頂上を踏み、北八隊も予定どおり稜線を縦走して全員無事故で下山でき、今年の正月合宿は成功裡に終わった。詳しくは以下の各隊の報告を参照のこと。


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