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諏訪山
水田 洋

山行日 1994年12月4日
メンバー (L)水田、今村、大久保、服部、荻野、山沢、箭内

 非常に情けないことをしてしまった。こんなことは二度とやらない。この山行で思い出すことといえば、極度の二日酔いで山道の脇に寝転び朦朧とする意識の中で仰ぎ見た、雑木林の梢の向こうの透明な空の青さぐらいである。
 前段で二日酔いという言葉が出たとおり、この山行のリーダーである私は、前夜のテントで意識を飛ばしたあげく、翌日どうにか頂上まではいったものの他パーティーのおばさんにも酒臭いといわれるほどでまったくリーダーとしての務めを果たせなかったのである。
 以下は山行の時系列的概要であるが、なにぶん意識がたしかでなく記憶が不正確なことと、時間的な記録がないことはご容赦いただきたい、とはいえないだろうが覚えていない。

 12月3日(土)午後9時、関越自動車道嵐山パーキング集合、水田、山沢、今村が今村車、箭内、荻野、大久保、服部が荻野車に分乗して現れる。本庄・児玉インターをおり、登山道から車で30分ほど手前を秩父方面へ少し入った、さざなみの化石の駐車場に12時過ぎにつく。天幕を二張り、そのうちの一張りを宴会テントとして各自適当な頃合いで就寝するが、最後は3時半だった(らしい)。

 12月4日(日)快晴、登山口の浜平まで車で移動、行動開始、登山道にはいって暫く、水田は調子が悪く後でゆっくりいくことになる。沢沿い(といっても水はほとんどないが)の道は雑木の落葉がフカフカとつもり寝床には快適だ。ザックを枕にフリースをパジャマに意識を浮遊させること二度ほど、何回も車に戻ることを考えたが、リーダーとしての意地もあったのだろうか、天気は絶好調なのでとにかく行けるところまで行くことにする。
 稜線に出る頃から徐々に調子が戻ってくる。道は落葉に埋もれた踏み跡がか細く、初めての西上州の期待を裏切らない。シモヤツウチグラに着くと果たして服部氏が座っていた。頂上を先に往復してきたようだ。この前衛峰はすこぶる眺望がよく、あまり美しくない形の浅間山が印象的だった。暫く全員がこの前衛峰に集い記念写真のあと、水田が単身頂上へと向かう。約25分でつくがそこは頂上を示す看板以外なにもないところである。
 往路を忠実に戻る。途中シモヤツウチグラを過ぎたあたりで他パーティーを追い越し、稜線から沢沿いへ下る手前で荻野氏を掴まえた。この頃には体調も通常程度に戻っていたが、頭は痛い。車には3時位に着いたはず。とうとう服部、大久保、山沢の三氏には追いつけなかった。4時前には全員が下山、現地で解散した。今村車は志賀坂峠をぬけ、ソバをたべ、風呂に入って帰京した。フル一日の行程であった。
 前述のとおり、西上州は私にとって初めての山域であったが期待通り、人が少ない、道があまり良くない、枯れた雑木林が美しい、山麓の集落が鄙びている等、魅力一杯であった。また晩秋か初冬のころには今度はできれば一般ルートを外れて歩いてみたい。

(文中敬称略)

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