トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ288号目次

平成七年春合宿 白馬岳集中
その3 小蓮華隊
小林 章弘

山行日 1995年5月3日~6日
メンバー (L)大久保、小林(勝)、藤井、小林(章)

 我々と主稜隊は同じ夜行で新宿集合である。連休で、急行アルプス号を待つ登山者は既に夜8時半にはホームに一杯だった。甲州街道下あたりの階段裏で行列して待つこと3時間。おや、と思うと山沢さん、澁谷さんがやって来た。「箭内さん見ませんでしたかー」。山スキー隊の集合場所に現れないとのことでありました。
 なんとか全員席を確保して発車。途中から乗った田代さんはいくらも眠れなかったそうだ。駅からはタクシーでロープウェイ駅まで。ザックを積む時、愛用のジッポを落としてしまった。ショック、7年も使っていたのに・・・。
 ロープウェイ駅で山スキー隊に合流。無事、箭内さんは現われたのでした。(場所を勘違いしていたそうです)8時の発車を待つ間、荷物を秤に乗せたら私のは27キロあった。4人の中で一番重い(大久保さん20キロ、小林さん24キロ、藤井さん25キロ)。重い食料ばかり持ってきてしまった。酒は控え目にしたのだが。
 ロープウェイを降りてようやく歩きだす。今回はマメに苦しませられないよう、踵にテーピングのテープを張ってある。いつも歩き始めは苦しい。汗を流して成城大学小屋前に到着。一休みしていたら、スキー隊が上がって来た。
 大勢の人に混じり、春スキーコース横を上がって乗鞍の下に到着。ここまではスキーヤーと一緒だったが、これからは山屋の世界。パトロールが「こっから先は行かないで下さいよー」とスキーヤーに呼び掛けていたが、こっちには「山屋さんでしたかー、気を付けて」と言って来た。
 雪の崩落を横目に頂上へ。頂上付近は雪がない。結構風が強く、休みもそこそこに白馬大池へ。池のほとりについた所で、急に雨が降りだした。小屋の裏に急いでテントを張り、ようやく人心地、かついで来たビールで乾杯。小林さんが秘密のつまみを作り出す(これは共同装備外です)。アルコールが入り、その夜は8時過ぎには就寝。
 雨は朝には止んだが、風が強い。ときに耐風姿勢をとりながら頂上へ。頂上には昼頃到着。風が強くて寒く、展望を楽しむのも20分程度で切上げ、白馬山荘へ。ここで主稜隊に合流。大久保リーダーのおごりでビールを飲む。大久保さん、ご馳走様!風は相変わらず強く、今日はこれ以上の行動は切上げてテント設営。しっかりと張り綱を張った。主稜隊は一旦下りて明日三号尾根を攻めると言う。今日も豪華版のつまみでアルコールが飲める。小林さん、ありがとうございます(ちなみに、今回はW小林でありましたので呼び方をどうしようと大久保リーダーは困っていました)。そうこうしているうちに明さんと井上のお父さんがスキーをはいて到着。ごくろうさま!テントの外は風はそう強くはなかったが雪が降ってきた。宴もそこそこに就寝。夢うつつながら外の風が相当強くなってきたようだと感じる。
 朝目を覚ますとずいぶん風が強い。朝食が終わると、風は止むどころかますます強くなってきた。風が弱くなるまで停滞を決めた。何回か張り綱が石から外れ、意を決して外に出て直した。ついにフライが破れてしまい、このままではテントもやばそう。結局、11時過ぎに杓子岳に向かう予定をあきらめて大雪渓を下る。慣れない雪渓下りで私はばててしまった。対面下降がつらい。明さんはテレマークで、しんどいよーと言いながら下りてきた。雪の状態はスキーに最悪でありました。大分皆さんを待たせてしまって、ようやく雪渓下部へ。さすがに、下では風はほとんど無く上天気。帰るか、もう1泊か、というところで、主稜隊が帰ってきた。
 小林さんは明さん、井上お父さんと家路へ向かい、残り3人が合流。雪のブロックを切り出し、豪華テントサイトを作った。我々のテントには城甲さんがゲストとなってやってきた。まだたっぷりあるつまみと酒で夜は更けていくのであった。穏やかな夜である。
 翌朝城甲さん、田代さんを除く主稜隊は早朝に出発。もうひとつ尾根をアタックである。残った私たちはゆっくり朝食をとり、テントを撤収。猿倉のバス停へと向かった。私は途中で、ザックにはさんであったゴアのジャケットを落としてしまった。もう引き返す時間もない。デポした荷物を取りに一緒に猿倉に行った田代さんに回収をお願いして別れた。(見付けてくれて、集会に持ってきていただきました。ありがとうございます)
 バスに乗って白馬駅へ。たいした距離ではないが料金が高い。行きの場合はタクシーが正解だと思う。駅で列車の時刻を確認してから温泉へ。湯船につかりながら山が真正面に見えるすばらしいロケーションである。近いうちにまた後立に来るぞと心に決めたのでありました。
 今回の反省点は、重い食糧が多すぎたことで、自分の体力を考えるべきでありました。経験を積むこと、体力アップと食糧の工夫が課題となりました。


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ288号目次