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会津朝日岳
水田 洋

山行日 1995年10月14日~15日
メンバー (L)水田、今村、井上(博)、山沢、高木(敦)、金子、藤井、大久保

 この例会、もともとは奥多摩あたりの沢を予定していたのだが、諸先輩方の要望が強く会津朝日岳となったのだった。これには、昨年の同時期に企画した三岩・窓明の盛り上がりが一因であることは否めず、リーダーとしては嬉しいことである。ただ、難点はこの方面の山は車がないとアプローチが大変で、私のように自分で車をだせないものにとっては計画しづらいというのも事実である。幸いにも今回は、今村さんと高木(敦)さんに快く車を出していただき、予定通りの山行が実施できたのでお二人には感謝の意を表したい。
 10月13日(金)夜10時半に東北自動車道蓮田パーキングに集合であったが、高木車の到着が1時間程遅れてしまった。とにかく今日は、山王峠の辺りまでは行こうということで出発する。明日の行動時間は避難小屋までならば4時間もないので朝はゆっくりしていられるのでありがたい。結局、ドライバーが元気だったので登山口のいわなの里まで一気に入ってしまった。到着は明けて14日(土)の3時半である。皆おとなしく直ぐ寝る連中ではないので1時間だけ飲んでから就寝、8時半に起床する。
 起きると外はピーカンである。天気予報でも日本全国晴れマークだったので分かってはいたが、山ではここ3回続けて降られているので気持ちがいい。各々朝食を済ませ身支度を整え、9時20分に出る。最初は沢ぞいの荒れた林道を進み、登山道に入ってなおも沢ぞいに行くといつしか尾根に取付くようになる。尾根に取付いて間もなく道が濡れてくると三吉ミチギと呼ばれる水場に着く。上に水があるか分からないので、ここで水筒を満タンにする。8人という大パーティーなので各々のペースでキノコでも取ながらいってもらうことにするが、それでも1時前には避難小屋に着く。小屋はあまり大きくなく窓も少なく中は暗い。先行者がいて我々が入るとほぼ一杯の状態だ。しかし、水場にいってみると水が流れていたので「今夜は水の消費量を気にせずパーッとやれる」のが嬉しい。
 まだ時間も早く天気もいいので、頂上を往復する。紅葉は時期が早いのか、鮮やかさと深みにかける。天気が良すぎて暖かいせいかなんとなくぼやけた感じだ。キノコの方も同様で山沢さんの収穫はナメコとブナハリが少々、昨年とはまったく比較にならない。頂上へは沢のツメのような草付の露岩を登っていく。南会津、只見、越後三山方面の山が良く見える。展望板も設置されており登った山、行きたい山の話に花が咲く。頂上からチョットいった先はスラブとなって谷底に落ち込み迫力満点である。
 小屋に戻って荷物を整理したら思い思いに宴会が始まる。相変わらず酒とツマミが豊富である。土間の焚火スペースをコの字形に囲むが対面が遠い。大久保さんは、単独行の青年のリクルートで盛り上がっていた。他のパーティーがいるので8時にはお開きとする。
 15日(日)今日は下山だけなので朝はゆっくりし、小屋を8時前に出る。下山中は、登ってくる中年パーティーが多いのに改めて驚いた。ここいらにしてはメジャーな山ではあるが『皆スキダネエ』という感じだ。10時前には車のところにつき後続が下りてくるのを待つ。全員が揃い、車のクーラーボックスに積んであったビールで乾杯した。
 帰りの車の中では、『もうちょっと遅い(キノコがとれる)時期にもっと地味な山に行こう。』と早くも来年の会津の山の計画が具体化していくのだった。

〈コースタイム〉
14日(土) いわなの里(9:20) → 三吉ミチギ(10:35) → 叶の高手(11:45) → 熊の平避難小屋(12:50) → 会津朝日岳往復所要(45分)
15日(日) 熊の平避難小屋(7:50) → 三吉ミチギ(8:50) → いわなの里(9:55)

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