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編集後記

 10月に遅い夏休みをもらって、四国の山々を登ってきた。剣山周辺から始めて、法皇山脈(愛媛県の瀬戸内海側)の山々、そして石鎚山脈の山々と廻った。足の確保の問題と、限られた期間に効率良く登ろうとの魂胆から車を持っていったので思い切った縦走はできなったが、下山後タクシーで車に戻る縦走を2回と、あとは登山口まで車で行く日帰りの山行を繰り返した。
 去年の北海道のドライブ登山旅では途中友人と合流したりもしたが、今回はすべて単独で登った。別に単独にこだわってそうしたわけではなく、時期や日程等の都合からそうなっただけである。
 しかし今回、毎日単独行を繰り返しているうちに、単独行の楽しさというか面白さというか、味わいの良さが多少解ったような気がした。ひとりだとパーティーを組んで行くときよりも山行自体の印象も濃いし、思うこと、感ずることもずっと多くなる。それは自然のなかで否応無く自分自身に向き合わざるを得ないことから見えてくるものだと思うが、それが面白い。去年の北海道での単独登山ではそんな風に感じなかった。オレも年取ったのかなあ。
 ひとりの淋しさは、否定的にとらえるのではなく、積極的に評価すると、なかなか味わい深く面白い世界が開けてくるようだ。

(服部)

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