トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ290号目次

忘年山行(畦ヶ丸)
野田 昇秀

山行日 1995年12月17日
参加者 原口、田原夫妻、山沢、野田、他3名

 あちこちで雪のたよりが聞こえてきます。冬、寒い、冷たい、いやだなあ。コタツ、ミカン、日本酒、ビール、いいなあ。年とともに冬野山へ出る機会が少なくなります。たまには山にでも行きなさいよと、粗大ゴミを掃き出すような言葉を背中に受けて、猫のようにコタツで丸くなりながら、どこへ行くべえか--ウン? 畦ヶ丸、忘年山行、原口さん、鍋、軽石状になった脳に湯気と一升瓶がイメージされてやっとコタツから出る元気ができ上がりました。
 新松田の駅で山沢さんに会います。誰もいないので心配そうにしています。バスの発車まぎわに会長夫妻とご友人達、それに30人分という材料を背中と両手にあらわれた原口さん、つまみなしでも背中の一升で山沢さんと忘年会をやる覚悟を決めていた私、とたんに顔がゆるみます。
 バスを降りると、外の寒さが身にしみますが、分担して背負った材料に期待が高まります。沢すじから尾根に上がり急登もなんのその、コースタイム通り3時間で山頂です。風の強い山頂をさけて、日向ぼっこの避難小屋南面に陣取りました。会長のご友人から、つまみが続々と出ます。オッ、これでは鍋なしでも充分と思える程でしたが、原口さんのさらしに捲かれた愛刀「シェフ第一号」が出ると、皆三尺程ひっこんでしまいました。
 二つの鍋がわずかな距離で日本と韓国に分かれます。中に入るものは両国とも同じもののようで、味、この味が大変なもので、大いに国籍に関係があるのです。大きなエビからはまぐり、頭に十字をきざんだ椎茸が入ります。まず日本の味を楽しみながら、日本酒を飲みます。旨い。次に韓国の味をモグモグやります。さすがにシェフとほめたたえながら又日本酒です。ウン、ワールドカップも両国開催でいいな。決勝戦はどちらにすべえなどと酔いにまかせて深刻になります。
 各自3人前位食べたと思うのですがまだ残りました。帰りのバスの都合があるので、早めにきり上げて下山します。途中さ山沢さんは、3時のバスに乗ると云って走り去りました。アルコールエンジン全開のようです。私達はバスに間に合わず、タクシーも来てくれず、中川温泉迄歩きました。日本にタクシーのこない僻地があるのかよう・・・。神奈川はダメ、ワールドカップは埼玉にするからな、と不平を云います。中川温泉で一浴、プラスビール。新松田でもビールで打ち上げました。
 原口さん大変御馳走になり有難うございました。


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ290号目次