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長須ガ玉山・山スキー -雪にギブアップ-
箭内 忠義

山行日 1996年2月10日~11日
メンバー (L)箭内、井上(博)、勝部、佐藤(明)

 9日(金) 雨の上野駅公園口に集合し、そして、出発。雨ということで、出発時より何故か不安な気持ちが胸をよぎった。西那須野インターを降り、塩原をこえ、雪の中、山王トンネルをくぐり、桧枝岐まで雪道をひた走った。1時近くだったろうか、桧枝岐の長須ガ玉山登山道入口の駐車場に着く。雪が例年になく多いので驚く。軽く宴会をやりシュラフにもぐりこんだ。

 10日(土) 井上(博)さん、佐藤(明)さん、勝部さん、箭内の中年おじさん強力パワー隊なら軽く長須ガ玉山位クリアーできると考えていたが、現実はそんなに甘くはなかった。朝からサラサラッとした粉雪。林道をシールをきかせて進んでいくが、雪が多くラッセルが思いのほか大変。スキー板をつけてのラッセルが大変というのも久しぶりのことだ。途中、送電線にまどわされ、林道をはずれ舟岐川の左岸を進んでしまった。小尾根にはばまれ進めなくなって初めて気づき、おそるおそる雪の厚そうな所を捜し川を渡った。
 長須ガ玉山につめる左惣沢に着いた時は、もうだいぶ時間がたってしまった。ここからは、右岸でも左岸でも好きな方を登っていけばいい。しかし、軽くフワッとした雪なので板をつけた状態でも膝までのラッセルとなってしまう。ギブアップしない限り闘いは続いていると心の中で叫んでも、頂上に着く頃はもう3時か4時になってしまうということなので途中でギブ。大きな木を背景に記念写真を撮り、左惣沢を滑りおりた。想像した以上に板が滑り、短い時間だったが多少楽しめた。箭内は初めてはいた靴だったので足の皮がむけ、歩けなかったが、テレマークの佐藤(明)さんや井上さん、勝部さんは、帰りは元気。適当な斜面を見つけては登り、滑りを楽しんでいた。
 幕場は、桧枝岐スキー場の食堂のひさしの下にしようとしたが、店がまだ営業していたので苦情を言われた。5時過ぎなら店が閉まるのでよいということになり、食堂入口にテントをはった。

 11日(日) 目を覚ますと、道路は雪で厚くおおわれていた。違う山を登るかどうか多少考えたが、天気及び雪の多さにそれもあきらめて帰路についた。途中、塩原の無料の温泉に入り、ふてくされた、残念な思いを水に流すことにした。
 以前、2月の長須ガ玉山に山スキーで行ったことがあったので、このメンバーなら軽くこなせると思っていたのが間違いのもとであった。雪の多さにメゲてしまった。また、出発時間を早くしなくてはいけなかったと反省の多い山行であった。メンバーの方には、疲れだけを残す山行となってしまったことに対し、お詫びしたい気持ちで一杯だった。


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