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平成八年集中山行 両神山
その3 金山沢右俣(沢登り)隊
水田 洋

山行日 1996年6月9日
メンバー (L)水田、小幡、井上(雅)、飯塚、高木(敦)、藤井、他1名

 荒川の支流、中津川のそのまた支流である神流川の金山沢右俣は、ナメが続く美しい沢として、多くの文献で推奨されている。前々から両神山に登るならこのルートと決めていた。私を含めて7名もの参加があったのは嬉しいことだ。

 6月8日 (雨)
 この日は、入渓点の落合橋まで車でのアプローチである。夜の8時前に着いた時は雨が降っている中、勝部パーティーが焚火で迎えてくれた。酒宴はほどほどのつもりが、結局12時近くに寝る。

 6月9日 (曇)
 起きると雨が降っているので、ゆっくりしていると服部パーティーと今村さんの車が合流し、集中が終わってしまう。頂上での集中には拘らず、パーティーそれぞれで頂上をめざすことになった。
 我々も7時半を過ぎてやっと出発する。沢は出合いから水量が少ない。沢は、天気が悪く陽がささないだけでなく、岩の色や、濡れそぼった落葉のせいで暗く、おまけに水苔でぬるぬるしており快適とは言えない。両岸の樹林もパッとせず、期待外れである。滝というほど傾斜のないナメが部分的に出てきた後、ハイライトの120m大ナメが始まる。ガイドにはどこでも登れて楽しいとあるが、ナメの真ん中は、水流があってヌメっており気持ち良く歩けない。
 大ナメが終わると二俣となり、右は傾斜の強いナメ滝、左に入る。この時点で遡行開始後1時間、この後1時間は水流もなく、只々涸沢を詰める。最後の二俣をルンゼ状の右にとれば、梵天尾根の直ぐ右に出る。ゆっくり休み休みきても2時間、あっけないものだ。両神山の頂上へも大した距離ではない。
 下山は、八丁峠経由のルートをとり、他のパーティーとすれちがう。このルートは一般ルートにしては、鎖場が多く変化に富んでおり、単調な遡行を補ってくれた。ただ、西岳の手前で大人数の中高年パーティーに追い付いてからは、鎖場の度に待たされ、イライラした。最近、メジャーな山に来ると必ずこれだ。
 八丁峠で、中高年パーティーをかわすと、後は上落合橋まで、会長のモートコールに誘われるように駆け下った。

〈コースタイム〉
上落合橋(7:45) → 稜線上(9:45) → 両神山(10:15~10:50) → 西岳(12:20) → 八丁峠(13:40) → 上落合橋(14:00)


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