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集中山行 上越朝日岳
その3 奥利根矢木沢西メーグリ沢~はやめて~宝川ナルミズ沢だけコース
高木 敦子

山行日 1996年9月14日~16日
メンバー (L)田代、藤井、福間、高木(敦)

 出発の金曜日、LからTELが入る。「明日雨みたいだから電車やめて車にしようか。」「んでもって矢木沢はヤブそうだからナルミズ沢だけにする?」そうか、それは残念!せっかく張り切っていたのに、何て事はこれっぽっちもなく即土曜昼立ちに決定。車なら中止になってもすぐ温泉に行けるし、とこんな調子で宝川温泉の林道に入った。途中に宝川温泉のゴミ捨て場があり、タヌキの親子を見かけて喜んでいたら、すぐゲートがあったのでやむなくその手前の広場をテン場とした。前に作業小屋があるが、中に入るにはちっと良心が咎めたので諦めた。しかし水場もちゃんとあるのでテン場には申し分ない。沢の近くだったがゴミ捨て場を見てしまったので、沢の水は使う気にはなれなかったのでラッキーである。お魚さんはいそうもないし、まだキノコも早そうなのでブラブラしていたが、藤井さんが宝川温泉まで電話を掛けに行くというので付き合ったら、福間さんがしっかり先にいてビールを買っていたのには驚いた。
 さて、その夜は各自の尊厳を落としめるので多くは語らないが、ピー言葉が飛び交い、なぜか江戸紫と冷蔵庫の話はT氏とH女史の前では禁句となった事だけを記そう。
 次の日、朝はいつもボーッとしている筆者は出発時間もよく覚えていないので、やたら林道歩きが長かったとだけ書いてお茶を濁す。沢を1回渡り、ウツボギ沢を越えるといよいよナルミズ沢の遡行開始だ。天気は晴、水もとっても奇麗でルンルンと行く。そのうち福間さんがそわそわしだした。この人には水カキがあるという噂通り(誰がウワサした?)水を見ると野生の血が騒ぐようだ。しかし今日は晴とはいえ風が冷たい。とうとう我慢しきれずに一本取った所でついに水に入った。本人は気持ち良さそうだが、見てるこっちの方が寒くなる。う~む、やっぱり寒さの抵抗力が違うなぁ。思わず全員の体形を見比べて、あわわ・・・(カット!カット!)
 やがて二俣に出て源流部が見え始めると、そろそろ今夜のテン場探しである。二俣でウロウロしたが、手頃な所が見つからない。右俣を少し行った先の平らな場所はすでにテントが張ってあったが、他にないのでその奥に張ることにする。流木はすでに取られて無いので焚火はなし。ちょっとさみしいがお酒があるからいっかで、この夜もピー。
 今日は集中する最終日、天気も良し。草原状の源頭部をのんびり進む。目の前には大烏帽子のスラブがすごい。急斜面で他の3人がキジ打ちへ、大丈夫かいな。あとはひたすら稜線へひいこらと進む。途中の交信はまったく無し。(後で分かったが他のパーティーはほとんどしていない。何のこっちゃ。)目指す朝日岳が見える。稜線には登山者が歩いているのが望めるが、うちらの仲間はどれだろうとしばし品定め。朝日岳直下でのテントが気になるが無視する事にして先に進む。ジャンクションピークで休憩していると、服部コースと金子コースに合流した。金子コースはボロボロ状態、服部コースはピンクも鮮やかな女性のおかげでちっと華やか。うちらには負けるか。さらに先に進むと湯谷コースの女性陣のお出迎え、やっぱりあのテントは三峰だった。
 かくして集中は山頂直下のテン場で成された。しかし木道を占領しての大宴会、聞けば朝からとの事。イヤダね~酔っぱらいは。しかしその中に入ってしまったワタシは何?飲むだけ飲んで、はいさようなら。帰りはひたすら温泉を目差して長い下りに耐えた。


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