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赤崩山(旭岳)
勝部 辰朗

山行日 1997年3月8日~9日
メンバー (L)勝部、小林(勝)、菅原、鈴木(章)、小山

 去年の正月、合宿にあぶれた者が2泊3日で「会津の雪はどんなもんかいね」と冬の会津入門編として、それと正月の宴会を兼ねて計画。菅原、箭内、鈴木(章)、渋谷さん達と山スキーわかんを持って挑戦しました。が、雪の深さとヤブの中スキーで悪戦苦闘、その上悪天で、観音山のピークまでで断念した。(宴会はしっかりとこなしたが。)
 今回はその雪辱戦として、時期をずらしてあのピラミダルな雄姿を見せていた赤崩山のピークを落とそうと、再計画してみた。
 3月7日夜10時、東浦和駅に集合、小林さんの車に乗って山王峠を越え、会津線養鱒公園(会津集落)駅の所から野際新田の部落へと道を走り、観音沼の駐車場に1時半頃に到着。一杯やって寝た。
 翌朝、大峠へと続く林道を歩き野際新田の部落を抜け、少し行くと左手に小さな木の鳥居が見えてくる。ここから尾根に取りつくと良い。林道をそのまま少し進むと、左側にホースで引かれた水場があり冬でも流れている。ここで水を補給して登りにかかる。
 広い林を進み尾根に取りつく。雪はかなり締っており、また例年より随分少ないようで、わかんを持ってきたが使うほどでもない。この雪の様子では、赤崩山まで十分楽にピストンをかけられると判断。前回も幕を張った尾根上1240mあたりの小さな台地にまた幕を張り、空荷で出発した。
 観音山のピークからは赤崩山が恰好よく見える。ただその前の尾根上に大きな看板のような反射板があり興趣を削ぐが、地元には必要なものだろうし文句は言えないか。
 観音山より左へ大きく回り込むように尾根を下り、1583m小ピークを通って赤崩山へと登りにかかる。反射板を右に見て、それを大きく巻き込むように尾根を進み、大きなコブ状の岩峰の下に着く。岩峰の上でカモシカがこちらをじっと見下ろしていた。「あんたら、こんなとこまでなにしに来ただね?」とでも言いたげに。
 ここらで雪も固くクラストしてきたので、アイゼンを装着してコブ岩峰を登る。岩峰の頭を越えると、先は一寸のあいだ両側(特に左側)がスッパリ切れ落ちたナイフリッジになっている。北那須特有の強い風が吹いており、バランスに気をつけて通過する。そこから少し細い尾根を一寸登ると赤崩山のピークだ。
 360度の展望台だ。三本槍、朝日岳の頭、そして三倉三山がどっしりと美しい。二岐山やら七ヶ岳やら会津の山々が一望だ。
 展望を楽しんだら寒いから、そそくさと来た道を引き返す。頭の中はもう宴会のことで一杯だ。
 観音山からの下りで会津若松から来ていたパーティーに追いついた。彼らは観音山までひとつ先の尾根を使って登り、この尾根を下ったのだそうだ。
 夕方から雪が降りだす。

 翌日も雪がちらちら。ゆっくりと朝食を楽しみ、歩程40分程で車の所まで下山。
 温泉は会津若松方面に北上して、湯野上温泉に行った。会津線湯野上温泉駅前、山田屋旅館・入浴料500円・話ずきの陽気なおばちゃんがひとり。川に面したいい露天風呂だった。
 駅舎も温泉造りというのか味があり、囲炉裏に炭火が暖かく、みやげを買って少し暖まってから帰途についた。

〈コースタイム〉
8日観音沼駐車場(7:15) → 尾根上1240m幕場(8:20~9:30) → 観音山(10:25) → 赤崩山(12:15~12:30) → 観音山(13:45~14:00) → 尾根上1240m幕場(14:45)
9日尾根上1240m幕場(9:00) → 観音沼駐車場(9:40)

地図 2万5千図・・・甲子山  5万図・・・田島


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