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雪上訓練(富士山)
服部 寛之
実施日1997年4月12日~13日(土~日)
メンバー服部、金子、山本(信)、井上(博)、田代、藤井、小幡、四方田、小山、井上(淳)、中西

 4月11日(金)夜10時半にJR八王子駅南口に8名が集合、金子、田代、服部のくるま3台でスバルライン入口に向かい、12半頃到着。料金所前に2張り設営して軽く宴会、2時頃就寝。
 12日、9時に料金所のゲートが開き、快晴の青空を仰ぎながら五合目まで上がる。五合目の駐車場で後発の山本、井上(博)、四方田の3名が追いついた。
 佐藤小屋に向かう道上、泉ヶ滝の分岐先に幕を設営。今年は残雪が少ないが、幕営場所手前の幅約100メートルにわたり植生が切れたガレ場の中、道からおよそ100メートル上方に広い雪の斜面が残っており、そこで11時から2組に分かれ雪訓を始める。
 小山、井上(淳)、四方田、中西の初心者組には山本と服部がつき、まずアイゼン歩行の練習、そして滑落停止を練習する。滑落停止は繰り返し練習するうちに4名ともうまく止まれるようになった。
 その間もう一方の金子、田代、井上(博)、藤井、小幡組は、雪崩ビーコンの捜索練習する。
 12時半頃休憩ののち装備を交替、3時頃まで初心者組は雪崩ビーコンの捜索練習を行い、他方は斜面上部でザイルによる確保を練習した。
 夜、北西の空に大きな白い尾を引くヘール・ホッブ彗星を見る。

 13日、今日も快晴。朝飯の水作りに時間を取られ、8時から雪訓を始めるが、昨日の斜面にはすでに大人数の2パーティが取付いて雪訓をしているので、我々は手近な雪に埋った樹林帯で、昨日と同じように2組に分かれ、雪崩ビーコンの捜索ならびに弱層テストの練習を途中装備を交替して行った。
 11時半頃切り上げて幕を撤収。予想される中央道の大渋滞を避けるためそのまま全員八王子まで直に戻り、場違いの雰囲気を濃厚にただよわせながも『ジョナサン』に強行突入、昼飯と清算を済ませたのち、集合時と同じJR八王子駅で解散した。

 今回の雪訓は、大集会で議題となった雪崩ビーコンをテストすることが目的のひとつであった。そのため『アルペンビーコン1500』を2台レンタルした。テストは、捜索者(一人)の見ていないところで別の者が発信状態にしたビーコンを雪中に埋め、それを捜索者が受信状態にしたビーコンで探し当てるという方法で行なった。最初は皆ビーコンを扱うのは初めてなので戸惑ったようだが、操作方法は単純明瞭で、操作性も良く、重ねて練習するうちに、人により要領の良し悪しはあるが、概ね3分~5分以内におよその埋没地点を特定できるようになった。「およその」というのは、ビーコンの感度を最小にしぼった探知範囲が発信源から2メートルのため、射的のように目標をピンポイントで捉えるということができないためである。しかし、ビーコンはある程度の大きさを持った人間の胸に装着されているわけであるから、ピンポイントで特定できずとも、最小範囲に絞り込めた時点で反応のある範囲の中心あたりを掘り返せばよいと思われた。その際やはりスコップは必要で、緊急時にピッケルやスキーでは埒が明かないことは明白であった。
 ビーコンは埋雪地点お知らせ装置というだけで埋没しても着けていれば必ず助かるというものではないが、雪に埋った人間を一刻も早く探し出すには決定的な威力を発揮する機械であることは間違いないと思われた。

●『アルペンビーコン1500』のレンタル
 費用合計 12,350円・・・・講習会費から支出しました。
 内訳    11,600円(2台を2日間使用+送付往復3日間=計5日分料金、送料込)
           110円(郵便振替払込料金)
           640円(返送料金・ヤマト宅急便)

 レンタル先・・
 〒174 東京都板橋区徳丸3-1-4 (株)ワームレス
 電話 03-5399-0606(経営企画室・担当 石川さん)

中央道 八王子IC~河口湖IC(普通車・片道) 1900円
富士スバルライン(普通車・往復)      2300円

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