山行日 1997年5月17日~18日
メンバー (L)水田、服部、遠山、中西
ルームで募集したときは、手を挙げてくれたのは服部氏のみ、北方・東北志向の強い三峰では、『静岡の山』『阿倍奥山稜』といってもピンとくる人は少ない。電話で参加を申し込んでくれた中西さんにしても、「他に行くところがなかったから」とのお言葉。
アプローチは東京駅発の『ムーンライトながら』。全席指定の快速電車で快適である。静岡駅で仮眠(実際眠れたのは私だけだったらしく、メンバーからは呆れられていた)の後、梅が島温泉行きのバスに1時間以上揺られて六郎木のバス停で下車、関の沢の集落を抜けると、摘み取り真最中の茶畑を縫うように登っていく。
荒れると思っていた天候も、高曇りでちょうどいい気温だが、風があればもっと快適だ。十枚山への登山道に入ってしばらくでコースが別れ、直登コースを選択する。登りに強い服部氏の調子が良くない、寝不足らしい。単調な登りに飽き飽きし過ぎたところで、やっと山頂に着く。大無間山、聖、赤石と南方志向の人間には感涙もののパノラマだ。
ここから今日の幕場である青笹山までが長かった。途中の地蔵峠では45分の昼寝タイムを設けて、体力・気力の回復も図った。登山道脇のミヤマツツジの花も目を和ませてくれた。
青笹山はこの山行中のベストピークである。全山笹に覆われているが、山頂部には適度に樹木が配置され遠目にも美しい。また、ピークに立つと笹が刈り払われて、テントを張るのに十分なスペースがある、展望も申し分ない。私達がヘトヘトでピークに着いたときには、待っていたかのように青空が広がり、それこそ皆で歓声をあげたものだ。その青空の下、マットを広げての酒盛りは楽しかった。
翌日は、朝露に濡れる笹の道が続くため、カッパを着ての行動だ。送電線の下をくぐると、笹が道に被るようになり、ちょっとしたヤブコギ気分だ。マイナーな山域はこれがないと楽しくない。真富士山から富士山を拝めず少し残念、下山中にルートを見失うこともあったが、昼前には俵峰の集落に出る。ここでも茶摘みの真最中で、静岡県の田舎の雰囲気を満喫した。
さて、俵峰にはバスが上がってこない。タクシーを呼ぼうとしたが電話番号が分からず、地元のオッチャンに聞いたら、「静岡駅まで自分の車で乗っけてってやる」という。渡りに船とはまさにこのこと。駅ではなくて市内にある『美人湯』までバス代程度ということで話しがまとまった。このオッチャンの話しだと、茶摘みはせいぜい1週間で終ってしまうというので、この時期が静岡の山のベストシーズンであろう。来年もこの時期にプランニングしてみよう。
温泉でさっぱりした後は、駅に出て食事と清算を済ませて、私だけは、新幹線で一足早く帰途についた。
17日 | 六郎木(7:50) → 十枚山登山口(9:00~9:15) → 十枚山(11:30~12:00) → 天津山(12:35~12:50) → 青笹山(15:50) |
18日 | 青笹山(5:15) → 第二真富士山(7:30~7:40) → 第一真富士山(8:15~8:30) → 真富士山登山口(俵峰)(10:45) |
2.5万図 南部、篠井山、和田島、梅ヶ島、湯の森
バス JR静岡駅~六郎木 1200円(運賃)、800円(荷物代・一斗缶以上)