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二王子岳
水田 洋

山行日 1997年3月30日
メンバー (L)水田、四方田、勝部、遠山、井上(淳)、中西

 3月29日の夜、東京は雨が降っていた。雨具を着て駅に向かう足取りは重くなる。新宿発の『ムーンライトえちご』は春休みだからだろう、新潟のコギャルモドキが多数いた。(ついでに、新発田駅にも超ミニスカ、ルーズソックスの女子高生がいた。)夜行の快速とはいえ、座席は特急並みの仕様で快適だ。
 新発田駅で予約しておいたタクシーに乗り、二王子神社までと行きたいところが、雪が出てきて降ろされる。これでも例年より1mほど雪は少ないそうだ。空は今にも泣き出しそうで、いつ降りだすかといった感じである。
 神社の裏の植林帯から登山道がはじまるが、結構夏道が出ており、新しいトレースもある。この山は地元の人を中心に冬でも毎週のように人が入っているのがわかる。私にとっては、今シーズン初の雪山なので、足回りと体力に少々不安がある。植林帯を抜け尾根に取り付いて暫くで、一王子避難小屋に着く。新潟平野が霞んでみえる。晴れていれば気持ちいい所だろう。
 さて、同行の士、女史たちは四方田氏が私と同じくバテ気味なのを除けば至って元気だ。中西女史なぞは雪山初めてというのに、飄々としたものである。トップも元気な人達に譲ってしまう。
 しかしである。標高1200m付近の雪原状に出た所でトレースが消えてしまった。アラレ状の雪もさっきから降り出し、視界は5mしかない。頂上まで行ったところで何も見えないどころか、下りで方向を間違う可能性が高い。メンバーとも相談し、撤退を決める。
 下山は思ったより長く感じた。ついでに、集落へ出てから、温泉に辿り着くまでもっと長かった。
 タクシーを呼んで、再び新発田駅へ、新潟からは新幹線で帰京した。とにかく金がかかる山行であったことよ。


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