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阿武隈川白水沢・南沢
井上 淳子
尾崎 秀朗

山行日 1997年7月26日~27日
メンバー (L)小幡、水田、尾崎、井上(淳)

【井上】
7月26日 白水沢
 急行『八甲田』に乗って黒磯で下車して駅に泊まり、翌日の始発で白河に向かう。黒磯駅は駅の中で泊ることができないので、駅前に寝場所を探しにでた。すると、駅前はどこからともなく肥やしのにおいが・・・・・。その夜は、懐かしい香りにつつまれながら眠りについた。
 翌朝、はっきりしない天気の中、白河に向かい、タクシーで甲子温泉まで入る。今日は白水沢を登る。沢登り2回目の私はとりあえず手も足も膝もお尻も総動員して、必死に登った。(その結果、全身痣だらけになりました。)きっと、私の後ろの人達は、「うわっ、こいつ、危なっかしい奴だな・・・・。」とひやひやしながら登っていたことだろう。それでもなんとか、私としては安全に登りきる事ができた。心配だった天気もなんとか保ってくれて、2回目の沢登りは大満足だった。
 その日の宴会はたしか3時頃から始まった。ビールの飲み比べから始まって、やはり最後は小幡さんの歌に突入した。夕飯の仕度ができてからも小幡さんの歌はやまない。今回は『山の子の唄』と『長い夜』を交互に、一人で裸足で立って延々と歌っていた。そのうち、
「おう、尾崎、男はロードで裸足で歌おうぜ」
 と、テントの中にいる尾崎さんをひっぱりだした。結局二人は1時間程帰ってこなかった。聞いたところによると、ちょっと先に行った所にあるトンネルの中で、エコーをガンガンきかせて歌っていたそうである。いつ見ても、聞いても小幡さんのパワーには感服してしまう。
 夜の8時過ぎから雨が降ってきた。次第に本降りになり、私は「明日は温泉につかって帰るだけになるかな。」などと不謹慎なことを考えながら眠りについた。

 甲子温泉・白水沢入渓(8:00) → 二俣(9:25) → 稜線(12:05) → 甲子温泉(13:50)

【尾崎】
7月27日 南沢 (雨のち晴)
 相変わらずの強い雨と風の音で何度となく目が覚めた。この様子だと今日はこのまま帰るしかあるまいと思いつつ、うとうとしていると、「おきろ!!出かけるぞ!!」と小幡氏の声。うそだろ~と飛び起き外を見渡すと、強い風は収まったものの、小雨で入渓には微妙な空模様である。僕らはブツブツ・ぐだぐだしていたが、小幡さんの「このままじゃ悔いが残るだろう!!」の一言に改心し、南沢に向かう事にした。
 朝飯の味噌煮込みうどんは尾崎が担当した。手軽でカロリーのバランスも良いと思いチャレンジしたが、恐ろしくまずい物になった。具に選んだ八宝菜用の竹の子が生煮えであったのと、ダシに鳥ガラスープを使用した事のミスマッチが敗因である。やはり味噌にはカツオぶしであったのか。あるいはこんぶだしであったのか。課題は残った。それにしても涙を流しながらも食してくれた井上淳子さんには感謝したい。
 南沢への入口は、水田委員長とバタヤンさんに前日にチェックして頂いたお陰で、スムーズに入渓できた。前日の雨の影響で初心者の私には相当量の水かさに思えた。私は作業着屋で買った大工の源さんが着るような裾広がりのズボン(ちなみに"丸一"と書いてある)を愛用しているので、水量が増えると足への抵抗が強く、歩くのが大変であった。最初は平坦な河原を進む。二俣を右に折れると10-20m級の滝が定期的に現れる。昨日の白水沢より規模も数も多い様だ。
 オーダーは昨日同様小幡-井上-尾崎-水田の順で進み、ルートは小幡さんにお任せであった。途中かなり厳しい滝が在り、井上さんも苦労していた。つめは岩の滑り台の様になっており、かなりヌメッていた。足を踏みはずすと滑落してしまいそうでもあり、横側のヤブに逃げ縦走路に出る。
 帰り際に甲子温泉『大黒屋』の岩風呂に入る。内湯ながら湯槽の大きさと雰囲気は○。一度お試しあれ。

甲子温泉・入渓(7:00) → 南沢出合(7:15) → 二俣(10:40) → 奥の二俣(11:30) → 甲子山(12:20) → 甲子温泉(13:45)


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